2025年 3月20日(木・祝)~3月23日(日) 中目黒キンケロ・シアター
〒153-0042 東京都目黒区青葉台1-15-11 TEL:03-3496-1138 「中目黒」駅下車「正面改札」出て左へ徒歩8分〔東急東横・地下鉄日比谷線〕
今年8月に上演したミュージカル「イソップランド」が、大好評につき、早くも再演決定です。今から2,500年以上も昔、奴隷の身でありながら、「アリとキリギリス」「うさぎとかめ」「北風と太陽」「オオカミが来た!」「都会のネズミ田舎のネズミ」など、今でも語られ続ける多くの物語を残した寓話作家イソップの波乱の生涯を描きながら、彼が生きるために必要だった数々の有名な寓話を、楽しい歌と踊りと演技で描くミュージカル。彼には、なぜ物語が必要だったのでしょうか?そして、人はなぜ、彼の物語を必要としたのでしょうか?『人生、それは、素晴らしい物語!!』をテーマに、ミュージカル「ファミリア!」のスタッフが創作したジュニア・ミュージカルの傑作!どうぞ、ご期待ください!!
イソップ 古澤利人
2024年8月「イソップランド」初演で主演イソップ役を務めさせていただきましたが、最初に台本を読んだ時点で、この作品がジュニア・ミュージカルとして今後も再演を続けていくことを前提に書かれた、ハマナカ先生の信念や情熱が、その端々から伝わってきました。 「初演」が成功しなければ「再演」は起こり得ないのですから、その責任感と、(予想を超えた)膨大な量の台詞に武者奮いしたことを未だに覚えています。※何度かハマナカ先生を恨みました(笑) この作品の構成が印象的なのは、イソップが自らの人生と、自作の寓話が展開されるストーリーを、常にステージの中で見守っていることです。ステージ上では子供時代のイソップや、寓話の中の動物たちや神様たちがその物語を紡いでいる訳ですが、イソップはそこに居るはずなのに、どこか離れたところから冷静に、それでいて愛に溢れた温かい眼差しで眺めているような視点があります。それはまるで子供たちや世界を、2000年以上見つめ続けてきた全ての人々の眼差しのようです。それこそがイソップの寓話から様々な教訓や愛情が自然と溢れ出るものを、この作品が表現しているように思えます。 もう一つ特徴的なのは、「ジュニア・ミュージカルなのに主演が大人」ということ。イソップが子供達を見守っているのと同じように、子供たちも大人であるイソップを常に見ている、ということです。その為にはイソップ然り、更には演じる私自身が、彼らにとってのお手本となれるように、稽古場での居住まいや、稽古に取り組む姿勢などを常に意識していました。一種の覚悟や責任というものを背負い込んだ『一人の俳優』を、私自身が演じていた節もあります。何よりも「一つの文化」として、この未来に受け継がれるべきカンパニーを一緒に創っていこう、というメッセージを彼らに伝え、そして引き継いでいって欲しいという想いがありました。 再演にあたって、私自身も成長した姿で再びイソップと重なり合いたいですし、この作品を次の世代、さらにその次の世代へと受け渡していく「文化」を、会場にお越しくださる皆様にも応援していただければ幸いです。 2025年3月に再び、そして新たに「イソップランド」を語っていきたいと思います。どうぞお楽しみに。
初演(2024年8月)の舞台写真
「イソップの奇跡」 脚本・作詞・演出 ハマナカトオル
日本のミュージカルの将来を考えた時、子供たちのミュージカル教育の重要性と、ミュージカルを通して人生の素晴らしさを学ぶ演劇体験の大切さを認識し、外部団体のジュニア・ミュージカルを観劇したりしながら、新しいジュニア・ミュージカルのかたちについて模索し続け、到達した作品がミュージカル「イソップランド」です。 寓話作家イソップの名を知らない人はいないでしょう。「アリとキリギリス」「うさぎとかめ」「北風と太陽」「オオカミが来た!」「都会のネズミ田舎のネズミ」など、児童文学として世界に広まり、私たち人間の心の奥底に人生哲学として存在する寓話を数多く残しました。なぜ彼は、こうした物語を作り続けたのでしょう。イソップの生涯を調べてみますと、彼が2,500年以上前の古代ギリシャで奴隷の身の上だったことが分かり、たいへん苦しい境遇のなか、物語を作ることで、なんとか生き抜くことが出来た人であったことが分かります。幸せでなんの苦労もない人は、作家になったりしないものでしょう。人生の苦しさ、いろいろな不条理や失敗に直面した人が、その思いを物語にするのだということが、イソップの生涯を知るとよく分かります。私も物語を創作する人間のひとりとして、人を生かす物語の力はよく分かります。イソップという人の生涯を通してみると、あの有名な物語たちが、これまでとはちがった意味合いで見えて来ました。そして、人間にとって、物語がいかに重要なものであるかというテーマが立ち上がってきましたので、ミュージカルにして、皆さんと共有したいと思うようになり、創作した作品です。 初演を経験して感じたことは、イソップの奇跡です。前述したように、イソップは2,500年以上も昔の人物。日本で言えば弥生時代です。卑弥呼より800年以上も前。弥生時代の人物なんて、個人名が浮かぶ人はいませんよね。それなのにイソップは、「うさぎとかめ」や「アリとキリギリス」の作者として、日本の小学生でも名前を知っている!しかも本も本屋もない時代の作家です。調べれば調べるほど、これはピラミッドに匹敵する奇跡なんじゃないかと思うようになりました。私たちはイソップを過小評価していたのです。そんなイソップを、古澤利人さんが素晴らしく見事な人物造形で演じてくれました。まさにジュニア・ミュージカルの主役のお手本と言える一級品の演技です。次の再演でも、古澤さんのイソップが実現しましたので、とても楽しみです。古澤さんのイソップの冒険を、一緒に楽しみましょう。 そして、なんと言ってもイソップの寓話を演じるジュニア・キャストたちの生命力に満ちた真っ直ぐな演技。まぶしいほどのエネルギー。それがこの作品を輝かせる魅力です。子供たちの表現力がダイレクトに客席に伝わる、純粋なミュージカルを作りたいと心がけています。歌って踊って演技して。タップダンスも頑張ります。ぜひお楽しみに。さらに、子供たちが大人キャストと一緒に演じ、舞台を作り上げることの意義です。大人キャストの姿勢や演技から子供が学ぶことは大きく、これも、大切な教育だと認識しています。 この作品の音楽を担当するのは西出真理さん。子供のミュージカルとは思えないほど上質な音楽で、イソップの世界を色あざやかに描いてくれました。共同演出と振付は梅沢明恵さん。長年、子供のミュージカル教育に携わってきた的確な指導で導いてくれます。そして、日本のタップダンス界を常にリードしてこられた第一人者の藤井真梨子さんに、引き続きタップダンスの振付をお願いしました。私にとって最高のスタッフが揃いましたので、あとは、スタッフ・キャスト全員にとって上演意義の高い、幸せな作品に仕上げられるよう、全力を尽くして再演に挑みたいと思っています。 ミュージカル「イソップランド」。イソップ寓話のテーマパークのように楽しいミュージカルにしたいと願い、このタイトルをつけました。ミュージカル座の自信作です。どうぞお楽しみに。
「2,500年の時をこえるお話」 作曲・編曲・音楽監督 西出真理
ミュージカル「イソップランド」、お陰様で再演の運びとなりました。2024年8月の初演時はたくさんのお客様にご来場頂きましたが、また皆様に素敵な作品をお届けできることがとても嬉しいです。 本作品は、今から2,500年以上も昔、奴隷の身でありながら今でも語られ続ける多くの物語を残した寓話作家イソップの生涯に光を当てたものです。 古代ギリシャが舞台ということで、今回は古代ギリシャの音楽要素もひと匙組み込みたいと思い、当時の音楽の理論・旋法・曲想等を学ぶところからはじめましたが、古代ギリシャの音楽がとてもオリエンタルで豊かな響きであることに驚きました。それもそのはずで、今日の西洋音楽の源流は古代ギリシャやローマにあると言われており、その流れをペルシャもヨーロッパもくんでいるそうです。また、古代ギリシャでは哲学・文学・体育と並んで音楽が教養として重んじられており、さらに当時から詩の朗読や劇の上演に際して音楽が演奏されていたと考えられております。その時代から演劇や劇伴(=劇の中の音楽)というものがすでにあったわけですが、時を超えて2,500年後の現在、一人の奴隷であり作家であるイソップの残した寓話を大切に紐解き、こうしてミュージカルにしているという事実に、私はとてつもないロマンを感じてしまいます。そしてそこに描かれている学びや智恵は、現代を生きる私達の人生にも通じるものばかりです。 また、「イソップランド」はジュニアたちが大活躍する作品です。初演時に、未来を担う子どもたちと主演イソップ役の古澤利人さんが歌う幕開けの歌を稽古場で聴いた際、とても幸せであたたかな気持ちになったことを覚えております。まるで、堂々たる大木と、そこに寄り添う瑞々しい若木のような。大人キャストとジュニア・キャストが一丸となって舞台を創り上げることも、ジュニア・ミュージカルの醍醐味だと感じます。再演ではどんな歌声が生まれるのか、ぜひお楽しみ頂ければ幸いです。
「イソップランド」再演決定です!! 共同演出・振付 梅沢明恵
「イソップランド」の再演が決定しました!!ありがとうございます!! 本当に誰もが知っているイソップのお話が詰まったミュージカル。生きていくための智慧が満載な、大人も子どもも楽しめる、みんなが笑顔になれる、とても心に優しい、そんな作品です。
「イソップランドに再び会える幸せ」 タップダンス振付 藤井真梨子
みんなでWaiWaiと基礎稽古が、「タップって楽しい〜」とsmileの雰囲気の中始まりました。
スタッフ プロフィール紹介
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今年8月に上演したミュージカル「イソップランド」が、大好評につき、早くも再演決定です。今から2,500年以上も昔、奴隷の身でありながら、「アリとキリギリス」「うさぎとかめ」「北風と太陽」「オオカミが来た!」「都会のネズミ田舎のネズミ」など、今でも語られ続ける多くの物語を残した寓話作家イソップの波乱の生涯を描きながら、彼が生きるために必要だった数々の有名な寓話を、楽しい歌と踊りと演技で描くミュージカル。彼には、なぜ物語が必要だったのでしょうか?そして、人はなぜ、彼の物語を必要としたのでしょうか?『人生、それは、素晴らしい物語!!』をテーマに、ミュージカル「ファミリア!」のスタッフが創作したジュニア・ミュージカルの傑作!どうぞ、ご期待ください!!
1958年東京生まれ。ミュージカル作家・演出家・プロデューサー。俳優、宝田明氏が主催する宝田芸術学園でミュージカルを学び、舞台俳優の活動を経て脚本・演出家として独立。数々の作品を発表した。1993年から専門学校舞台芸術学院ミュージカル部別科の主任講師として、19回の卒業公演を作・演出。多くの生徒を育てた。1995年、国産の新作ミュージカルの創造と普及を目的に「ミュージカル座」を創立。劇団代表・座付作家・演出家・プロデューサーとして、「ひめゆり」「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「ゴースト」「ロザリー」「ルルドの奇跡」「サイト」「アインシュタイン・フォーリーズ」「センス・オブ・ワンダー」「ガールズ・オン・ブロードウェイ」「ブロードウェイ殺人事件」「ニューヨーカーズ」「スウィング・ボーイズ」「舞台に立ちたい」「三人の花嫁」「コンチェルト」「雪の女王」「不思議なラヴ・ストーリー」「赤ひげ」「わだつみのこえ」「何処へ行く」「マザー・テレサ 愛のうた」「チェアーズ」「スター誕生」「おでかけ姫」「月に歌えば」「ハートスートラ」「結婚行進曲」「タイムトラベラー」「二人でミュージカル」「アワード」「クリスマスに歌えば」「踊る!埼玉」「ボードビル」「ファミア!」「スター誕生2」「映画の都」「東京ミュージカル」「ハリウッドは大騒ぎ」「パラレル」「平和な星」「イソップランド」「ハーモニー」等のオリジナル・ミュージカルや、「ママの恋人」「野の花」等のストレートプレイを発表。劇団外では、松竹「花いくさ」、黒木瞳「ママ・ラヴズ・マンボ」シリーズ、「今井清隆ファースト・コンサート」、「イル・ミュージカーレ」などを手がける。最近では、新しいミュージカル作家・作曲家・演出家のプロデュースに意欲的に取り組み、新しいクリエイターによる多くのオリジナル・ミュージカルを製作。日本のミュージカルの成長と普及のために力を尽くしている。公益社団法人日本演劇協会会員。2021年、「ハマナカトオル作品集」HPを開設。次回作は、2025年2月初演予定のミュージカル「ボディ ~ボクと私のからだ」。
オーストラリア・シドニー生まれ。香港、東京育ち。日本大学芸術学部 音楽学科 作曲コース卒業、大学院芸術学研究科 音楽芸術(作曲) 専攻博士前期課程修了。大学ではクラシックや現代音楽の作曲法を学びながら、ミュージカル研究会に所属し、オリジナル・ミュージカル作品の作編曲や音源製作をする。卒業後も、舞台や映像作品、TV・ ラジオ・ ゲームのBGM、ポップス、クラシック等、多方面で作編曲活動を行う。国際ピアノデュオ作曲コンクール入賞、他多数受賞。
2018年には、人気ゲーム「ペルソナ」シリーズのショーイベントで使用される、ラップ・ミュージカル曲の作曲及び編曲をした。
近年音楽を担当した舞台作品に、「A Brilliant Christmas」「うねり〜踊らない二人〜」(ワンダーヴィレッジ主催)、「元彼鎮魂歌〜モトカレクイエム〜」(Mayolesque企画製作)など。舞台作品以外にも、アプリゲーム「メメントモリ」(キャラクターソング作曲)、Nintendo Switch用ゲーム「ときめきメモリアル Girl’s Side 4th Heart」(BGM編曲)、環境省による屋久島マナー動画「Island of Water YAKUSHIMA ~悠久をつむぐ屋久島~」(BGM作編曲)など、多岐に渡る作編曲活動を行っている。
2019年より、ミュージカル座ハマナカトオルとのコンビでミュージカル 「不思議なラヴ・ストーリー」「ファミリア! 」「映画の都」「ハリウッドは大騒ぎ」を、苅谷和暉子とのコンビでミュージカル「相依為命~あいよっていのちをなす~」「MONTAGE」の作曲・編曲・音楽監督を手がけている。
東京都出身。ミュージカル座所属。
幼少期よりダンスを学び、レコード大賞や紅白歌合戦などダンサーとして多くのイベントやTV番組に出演。舞台芸術学院ミュージカル部別科卒業後、ミュージカル座創立と同時に入団。数多くの作品で演出助手や振付助手としてカンパニーを引っ張ってきた。「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「舞台に立ちたい」「サイト」「アワード」「プロパガンダ・コクピット」「雲母紙鳶」などでは振付も担当。黒木瞳主演「ママ・ラヴズ・マンボ」3作品では振付助手をつとめた。最近はハマナカトオル作品「ひめゆり」「何処へ行く」「ルルドの奇跡」「ハートスートラ」「ファミリア!」「ハリウッドは大騒ぎ」「サイト」「平和な星」「イソップランド」「ハーモニー」の演出・振付を担当している。
幼少期よりタップダンス、児童舞踊、ジャズダンスを始める。21歳より中野ブラザーズインストラクターを経て藤井真梨子tap cityを開設する。New Yorkにて研鑽を積み、タップ振付第一人者ヘンリー・ルターンよりADMITサインを享受する。宝塚音楽学校、日本女子体育大学体育部運動科学科舞踊学専攻、日本工学院八王子専門学校声優演劇科、劇団ひまわり、ホリプロ・インプルーブメント・アカデミー、他でタップダンス講師を務める。主な振付作品:東宝ミュージカル「エニシング・ゴーズ」大地真央、「42nd street」涼風真世、宮本亜門演出「アステア・バイ・マイ・セルフ」、サンリオピューロランド「ドリームレビューワン」、「ステッピング・アウト」前田美波里、宝塚歌劇団宙組「ネオボヤージュ」、宝塚歌劇団「ME AND MY GIRL」、「プリンス・アイス・ワールド」、ミュージカル「アニー」(2001~2016)等。ミュージカル座では「スウィング・ボーイズ」「不思議なラヴ・ストーリー」「おでかけ姫」「アワード」「ボードビル」「東京ミュージカル」「ファミリア!」「イソップランド」でタップダンスを振り付けている。
2025年03月20日(木) ~ 03月23日(日)
☞ 「中目黒」駅下車「正面改札」出て左へ徒歩約8分〔東急東横線・地下鉄日比谷線〕
☎ 03-3496-1138
決定次第発表いたします
ミュージカル座 |
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☎048-825-7460 |
イソップの奇跡
ハマナカトオル 【脚本・作詞・演出】
日本のミュージカルの将来を考えた時、子供たちのミュージカル教育の重要性と、ミュージカルを通して人生の素晴らしさを学ぶ演劇体験の大切さを認識し、外部団体のジュニア・ミュージカルを観劇したりしながら、新しいジュニア・ミュージカルのかたちについて模索し続け、到達した作品がミュージカル「イソップランド」です。
寓話作家イソップの名を知らない人はいないでしょう。「アリとキリギリス」「うさぎとかめ」「北風と太陽」「オオカミが来た!」「都会のネズミ田舎のネズミ」など、児童文学として世界に広まり、私たち人間の心の奥底に人生哲学として存在する寓話を数多く残しました。なぜ彼は、こうした物語を作り続けたのでしょう。イソップの生涯を調べてみますと、彼が2,500年以上前の古代ギリシャで奴隷の身の上だったことが分かり、たいへん苦しい境遇のなか、物語を作ることで、なんとか生き抜くことが出来た人であったことが分かります。幸せでなんの苦労もない人は、作家になったりしないものでしょう。人生の苦しさ、いろいろな不条理や失敗に直面した人が、その思いを物語にするのだということが、イソップの生涯を知るとよく分かります。私も物語を創作する人間のひとりとして、人を生かす物語の力はよく分かります。イソップという人の生涯を通してみると、あの有名な物語たちが、これまでとはちがった意味合いで見えて来ました。そして、人間にとって、物語がいかに重要なものであるかというテーマが立ち上がってきましたので、ミュージカルにして、皆さんと共有したいと思うようになり、創作した作品です。
初演を経験して感じたことは、イソップの奇跡です。前述したように、イソップは2,500年以上も昔の人物。日本で言えば弥生時代です。卑弥呼より800年以上も前。弥生時代の人物なんて、個人名が浮かぶ人はいませんよね。それなのにイソップは、「うさぎとかめ」や「アリとキリギリス」の作者として、日本の小学生でも名前を知っている!しかも本も本屋もない時代の作家です。調べれば調べるほど、これはピラミッドに匹敵する奇跡なんじゃないかと思うようになりました。私たちはイソップを過小評価していたのです。そんなイソップを、古澤利人さんが素晴らしく見事な人物造形で演じてくれました。まさにジュニア・ミュージカルの主役のお手本と言える一級品の演技です。次の再演でも、古澤さんのイソップが実現しましたので、とても楽しみです。古澤さんのイソップの冒険を、一緒に楽しみましょう。
そして、なんと言ってもイソップの寓話を演じるジュニア・キャストたちの生命力に満ちた真っ直ぐな演技。まぶしいほどのエネルギー。それがこの作品を輝かせる魅力です。子供たちの表現力がダイレクトに客席に伝わる、純粋なミュージカルを作りたいと心がけています。歌って踊って演技して。タップダンスも頑張ります。ぜひお楽しみに。さらに、子供たちが大人キャストと一緒に演じ、舞台を作り上げることの意義です。大人キャストの姿勢や演技から子供が学ぶことは大きく、これも、大切な教育だと認識しています。
この作品の音楽を担当するのは西出真理さん。子供のミュージカルとは思えないほど上質な音楽で、イソップの世界を色あざやかに描いてくれました。共同演出と振付は梅沢明恵さん。長年、子供のミュージカル教育に携わってきた的確な指導で導いてくれます。そして、日本のタップダンス界を常にリードしてこられた第一人者の藤井真梨子さんに、引き続きタップダンスの振付をお願いしました。私にとって最高のスタッフが揃いましたので、あとは、スタッフ・キャスト全員にとって上演意義の高い、幸せな作品に仕上げられるよう、全力を尽くして再演に挑みたいと思っています。
ミュージカル「イソップランド」。イソップ寓話のテーマパークのように楽しいミュージカルにしたいと願い、このタイトルをつけました。ミュージカル座の自信作です。どうぞお楽しみに。
「イソップランド」再演決定です!!
梅沢明恵 【共同演出・振付】
「イソップランド」の再演が決定しました!!ありがとうございます!!
本当に誰もが知っているイソップのお話が詰まったミュージカル。生きていくための智慧が満載な、大人も子どもも楽しめる、みんなが笑顔になれる、とても心に優しい、そんな作品です。
前回、客席で本番を観ていた時に「この作品は続けていくべき」と思いました。子どもでも楽しく観られるのはもちろんですが、大人にとっても「忘れていた事を思い出させてくれる」「ちょっと元気にしてくれる」そんな力を感じました。
今回も、素敵な大人キャストと可能性だらけのジュニア・キャストと一緒にしっかり創っていきたいと思います。また新たな発見があるのでしょうか?今からワクワクしています。
2,500年の時をこえるお話
西出真理 【作曲・編曲・音楽監督】
ミュージカル「イソップランド」、お陰様で再演の運びとなりました。2024年8月の初演時はたくさんのお客様にご来場頂きましたが、また皆様に素敵な作品をお届けできることがとても嬉しいです。
本作品は、今から2,500年以上も昔、奴隷の身でありながら今でも語られ続ける多くの物語を残した寓話作家イソップの生涯に光を当てたものです。 古代ギリシャが舞台ということで、今回は古代ギリシャの音楽要素もひと匙組み込みたいと思い、当時の音楽の理論・旋法・曲想等を学ぶところからはじめましたが、古代ギリシャの音楽がとてもオリエンタルで豊かな響きであることに驚きました。それもそのはずで、今日の西洋音楽の源流は古代ギリシャやローマにあると言われており、その流れをペルシャもヨーロッパもくんでいるそうです。また、古代ギリシャでは哲学・文学・体育と並んで音楽が教養として重んじられており、さらに当時から詩の朗読や劇の上演に際して音楽が演奏されていたと考えられております。その時代から演劇や劇伴(=劇の中の音楽)というものがすでにあったわけですが、時を超えて2,500年後の現在、一人の奴隷であり作家であるイソップの残した寓話を大切に紐解き、こうしてミュージカルにしているという事実に、私はとてつもないロマンを感じてしまいます。そしてそこに描かれている学びや智恵は、現代を生きる私達の人生にも通じるものばかりです。
また、「イソップランド」はジュニアたちが大活躍する作品です。初演時に、未来を担う子どもたちと主演イソップ役の古澤利人さんが歌う幕開けの歌を稽古場で聴いた際、とても幸せであたたかな気持ちになったことを覚えております。まるで、堂々たる大木と、そこに寄り添う瑞々しい若木のような。大人キャストとジュニア・キャストが一丸となって舞台を創り上げることも、ジュニア・ミュージカルの醍醐味だと感じます。再演ではどんな歌声が生まれるのか、ぜひお楽しみ頂ければ幸いです。
イソップランドに再び会える幸せ
藤井真梨子 【タップダンス振付】
みんなでWaiWaiと基礎稽古が、「タップって楽しい〜」とsmileの雰囲気の中始まりました。
そしていつの間にか音が生まれ音色となり、リズムsoundを奏でるタップダンス!に!
気がついたらステッキを持って「タップダンスショー イソップの名曲」の中にいました。リズミカルにダンサブルに!
この音色が素敵なサウンドとなり、皆さまの心にsmileとなって響きますように。
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2024年8月「イソップランド」初演で主演イソップ役を務めさせていただきましたが、最初に台本を読んだ時点で、この作品がジュニア・ミュージカルとして今後も再演を続けていくことを前提に書かれた、ハマナカ先生の信念や情熱が、その端々から伝わってきました。 「初演」が成功しなければ「再演」は起こり得ないのですから、その責任感と、(予想を超えた)膨大な量の台詞に武者奮いしたことを未だに覚えています。※何度かハマナカ先生を恨みました(笑)
この作品の構成が印象的なのは、イソップが自らの人生と、自作の寓話が展開されるストーリーを、常にステージの中で見守っていることです。ステージ上では子供時代のイソップや、寓話の中の動物たちや神様たちがその物語を紡いでいる訳ですが、イソップはそこに居るはずなのに、どこか離れたところから冷静に、それでいて愛に溢れた温かい眼差しで眺めているような視点があります。それはまるで子供たちや世界を、2000年以上見つめ続けてきた全ての人々の眼差しのようです。それこそがイソップの寓話から様々な教訓や愛情が自然と溢れ出るものを、この作品が表現しているように思えます。
もう一つ特徴的なのは、「ジュニア・ミュージカルなのに主演が大人」ということ。イソップが子供達を見守っているのと同じように、子供たちも大人であるイソップを常に見ている、ということです。その為にはイソップ然り、更には演じる私自身が、彼らにとってのお手本となれるように、稽古場での居住まいや、稽古に取り組む姿勢などを常に意識していました。一種の覚悟や責任というものを背負い込んだ『一人の俳優』を、私自身が演じていた節もあります。何よりも「一つの文化」として、この未来に受け継がれるべきカンパニーを一緒に創っていこう、というメッセージを彼らに伝え、そして引き継いでいって欲しいという想いがありました。
…と、偉そうに書いていますが、実際は…ジュニアの皆さんのピュアな演技や、台詞覚えの早さ、俳優としての強さ・柔らかさ・真面目さに、いつもこちらが学ぶことばかりでした。「この子たちに負けられない…」とライバル心を燃やしながら必死にやり合っていた日々でした。
再演にあたって、私自身も成長した姿で再びイソップと重なり合いたいですし、この作品を次の世代、さらにその次の世代へと受け渡していく「文化」を、会場にお越しくださる皆様にも応援していただければ幸いです。 2025年3月に再び、そして新たに「イソップランド」を語っていきたいと思います。どうぞお楽しみに。