これは一編の寓話劇です。ある星に、弱い国と強い国がありました。弱い国では、美しい国を目指す弱い大統領が国を率いて、美しい国作りを行っていました。強い国では、領土を広げたい強い国王が、軍備を増強していました。ついに強い国は、軍隊を率いて、弱い国を攻めてきました。弱い国は、どうしたでしょうか?
ストーリー 童話作家が語る、平和を取り戻したある星のお話。強い国サンゲア王国の国王ウラル三世は、民族三千年の悲願である聖地キナンの奪回を計画、弱い国ハーメニア国のポポロ大統領に対し、従わない場合は軍事侵攻すると通告した。サンゲア王国は強大な軍事大国。対するハーメニア国は軍隊さえ持たない国。力の差は歴然。平和を愛するポポロ大統領ほかハーメニア国の政治家たちは大慌て。敵の軍隊に対しどのようにすればいいか、あれこれと議論すれど妙案は浮かばない。大騒ぎの様子は、女スパイ、マラキによって敵国に筒抜けだった。ポポロ大統領は、この星の歴史にくわしい法王クク十六世から、聖地キナンをめぐる両国の歴史を聞き出す。この星で絶大な人気を誇るサンゲア王国の歌手メロリスが発表した新曲「平和な星」が発禁処分となり、メロリスは当局に逮捕され、大騒ぎとなった。スポーツの世界でも、勝つことが至上命令のサンゲア王国女子野球チームは、きたない手段をとってでも相手国に勝利することを目指して訓練していた。ついに両国の首脳会談が始まるが、話し合いは意外な展開となって決裂。サンゲア王国はハーメニア国に対し宣戦布告。開戦が全世界に報道され、国民はパニック!ハーメニア国は絶体絶命の危機に!この星に、平和は訪れるのだろうか!?
■上演スケジュール 上演時間:約2時間15分(途中休憩15分 含む)
※受付開始および開場は開演の30分前です。
「平和な星」をめざして 脚本・作詞・演出・振付 ハマナカトオル
最近の地球情勢を憂慮しています。毎日ニュースを見ながら、平和な地球が訪れないことにつらい気持ちになります。考え続けた日々のなか、このミュージカルを発想しました。 アリストパネスの「女の平和」という戯曲があります。今から2,400年以上も前に、古代ギリシャで上演されたギリシャ喜劇です。男たちが戦争ばかりして困るので、女たちが戦争を続けるならセックス・ストライキをすると宣言。男たちはほとほと困って戦争をやめたという舞台劇です。「そんなことで戦争やめるかなあ」と思う方もいらっしゃるでしょう。でもこれはコメディ。笑いながら、人間というものについて考えるヒントにすればよいのです。「女の平和」は、現代でも反戦喜劇として力を持っています。2003年、アメリカがイラクに侵攻した「イラク戦争」の時、ヨーロッパの演劇人を中心としたプロジェクトが立ち上がり、全世界に呼びかけて、いっせいに「女の平和」の朗読会を行いました。その数、なんと59カ国。1,000箇所以上に及んだそうです。 私は、戦争喜劇というと、チャップリンの名作映画「独裁者」を思い浮かべます。笑いながら見ているうちに、平和と民主主義に期待する強いメッセージが胸に刺さり、「ああ、演劇を志す者は、こういう作品を作らなきゃだめだよなあ。」と思わされます。今回「平和な星」を作曲してくれる浅野五朗さんも何度も繰り返し観るほど好きな映画だそうです。「2001年宇宙の旅」の巨匠スタンリー・キューブリックの「博士の異常な愛情」も、評価の高い反戦喜劇映画です。この作品では、最後に核戦争が止められず地球規模で最悪の悲劇が起こるのですが、そうなってほしくないと誰にも思わせる強い力を持っています。 エンターテインメントに携わる人間として、反戦をメッセージに作品を作りたいという思いは、常に頭の中にあります。生きる意味と言っても過言ではない。今のロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナの悲惨なニュースを目にするたび、平和に導く方法はないものかと考えをめぐらします。「女の平和」が描いた平和に導くための方法とは違いますが、私も喜劇にしたいアイデアがあったので、この作品を書くことに決めました。 執筆は、約2ヶ月半。第一幕を書くのに2ヶ月。書き始めた頃はまだ世界観が出来上がっておらず、何度も書き直したりして時間がかかりました。第二幕はもう世界観が出来上がっていたので、疑問なく半月で書き上げました。こだわったのは二つ。すべてのシーンを喜劇で書くこと。架空の星の出来事だけど、地球の過去のオマージュをふんだんに入れること。「あ、これはアレからとったんだな」と分かるように散りばめました。人の命の重さについて、戦前の日本では「鴻毛より軽い」と言い、戦後の日本では「地球より重い」と言われました。ずいぶんな変わりようです。戦争をする国としない国でのこうした考え方の相違を、作品にして問いたかったのです。ミュージカルを作る人間として思いを込めたのは、メロリスの歌う平和を愛する歌が発禁になり、当局に拘束されて亡命するエピソードです。地球の過去にも、同じようなエピソードがたくさんあります。こんなミュージカルも平和でなくては絶対上演出来ませんから、エンターテインメントに携わる人間として発信したかった。メロリスの台詞には、ミュージカル・スタッフとしての私の思いが込められています。 私の場合、若い時の作品は夜書いた作品。年取ってからは朝型になったので、朝書いた作品ばかりです。この作品も朝のさわやかな光の中で書き上げた作品。台本から朝の香りがするミュージカルになりました。私が戦争を題材に書くのは、これが8本目。同じエピソードを書いたことは一度もありません。それほど考えさせられることが多いのです。戦争を考えることで、私は人生を送っているように感じています。 一緒にミュージカルを創ってくれる作曲家は、昨年「パラレル」で、素晴らしい音楽を作曲してくれた浅野五朗さん。今回も、場面にぴったりの素敵な曲たちが出来上がっています。壮大にして痛快。感動的で、ユーモアも感じる楽曲たち。前作も喜劇でしたが、喜劇タッチの作品に、浅野さんの曲は相性抜群だなあと感じています。サウンドが明るいのです。意図した通りの曲作りが出来ましたので、実力キャストの歌とダンスと演技によって完成する本番のパフォーマンスが楽しみです。振付に関しては、今回は私以外に、梅沢明恵さんと、アニメーションダンス振付としてmaekonさんに加わってもらいました。舞台は3人の振付家の競作となりますので、ダンスの個性の幅が広がって面白くなるのではないかと期待しています。キャストも、浦壁多恵さんを筆頭に古くからのお知り合いが多く、皆様信頼出来る芸達者な方ばかりですので、安心して稽古に挑めます。私のような仕事をしている者は、稽古場や劇場で、キャストやスタッフ、お客様からヒントをもらうことが多いのです。今回も、芸術的にたくさんのヒントをもらえた、有意義な創作期間となりました。 これは、ミュージカルで訴えたい平和への願いです。馬鹿馬鹿しいコメディ、絵本のような寓話劇ですが、笑っているうちに、誰もが平和への道を目指してほしい。平和な星であってほしい。そんな気持ちを込めて創作しました。今、日本の演劇人が作らなければならない舞台を目指したミュージカル「平和な星」。どうぞご観劇ください。
スタッフ プロフィール紹介
スタッフ 脚本・作詞・演出・振付:ハマナカトオル/作曲・編曲・音楽監督:浅野五朗/共同演出・振付:梅沢明恵
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ある星に、弱い国と強い国がありました。
これは一編の寓話劇です。ある星に、弱い国と強い国がありました。弱い国では、美しい国を目指す弱い大統領が国を率いて、美しい国作りを行っていました。強い国では、領土を広げたい強い国王が、軍備を増強していました。ついに強い国は、軍隊を率いて、弱い国を攻めてきました。弱い国は、どうしたでしょうか? これは一編のコメディ。平和な星になるための、おとぎ話です。
童話作家が語る、平和を取り戻したある星のお話。強い国サンゲア王国の国王ウラル三世は、民族三千年の悲願である聖地キナンの奪回を計画、弱い国ハーメニア国のポポロ大統領に対し、従わない場合は軍事侵攻すると通告した。サンゲア王国は強大な軍事大国。対するハーメニア国は軍隊さえ持たない国。力の差は歴然。平和を愛するポポロ大統領ほかハーメニア国の政治家たちは大慌て。敵の軍隊に対しどのようにすればいいか、あれこれと議論すれど妙案は浮かばない。大騒ぎの様子は、女スパイ、マラキによって敵国に筒抜けだった。ポポロ大統領は、この星の歴史にくわしい法王クク十六世から、聖地キナンをめぐる両国の歴史を聞き出す。この星で絶大な人気を誇るサンゲア王国の歌手メロリスが発表した新曲「平和な星」が発禁処分となり、メロリスは当局に逮捕され、大騒ぎとなった。スポーツの世界でも、勝つことが至上命令のサンゲア王国女子野球チームは、きたない手段をとってでも相手国に勝利することを目指して訓練していた。ついに両国の首脳会談が始まるが、話し合いは意外な展開となって決裂。サンゲア王国はハーメニア国に対し宣戦布告。開戦が全世界に報道され、国民はパニック!ハーメニア国は絶体絶命の危機に!この星に、平和は訪れるのだろうか!?
1958年東京生まれ。ミュージカル作家・演出家・プロデューサー。俳優、宝田明氏が主催する宝田芸術学園でミュージカルを学び、舞台俳優の活動を経て脚本・演出家として独立。数々の作品を発表した。1993年から専門学校舞台芸術学院ミュージカル部別科の主任講師として、19回の卒業公演を作・演出。多くの生徒を育てた。1995年、国産の新作ミュージカルの創造と普及を目的に「ミュージカル座」を創立。劇団代表・座付作家・演出家・プロデューサーとして、「ひめゆり」「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「ゴーストミュージカル」「ロザリー」「ルルドの奇跡」「サイト」「アインシュタイン・フォーリーズ」「センス・オブ・ワンダー」「ガールズ・オン・ブロードウェイ」「ブロードウェイ殺人事件」「ニューヨーカーズ」「スウィング・ボーイズ」「舞台に立ちたい」「三人の花嫁」「コンチェルト」「雪の女王」「不思議なラヴ・ストーリー」「赤ひげ」「わだつみのこえ」「何処へ行く」「マザー・テレサ 愛のうた」「チェアーズ」「スター誕生」「おでかけ姫」「月に歌えば」「ハートスートラ」「結婚行進曲」「タイムトラベラー」「二人でミュージカル」「アワード」「クリスマスに歌えば」「踊る!埼玉」「ボードビル」「ファミリア!」「スター誕生2」「映画の都」「東京ミュージカル」「ハリウッドは大騒ぎ」「パラレル」等のオリジナル・ミュージカルや、「ママの恋人」「野の花」等のストレートプレイを発表。劇団外では、松竹「花いくさ」、黒木瞳「ママ・ラヴズ・マンボ」シリーズ、「今井清隆ファースト・コンサート」、「イル・ミュージカーレ」などを手がける。最近では、新しいミュージカル作家・作曲家・演出家のプロデュースに意欲的に取り組み、新しいクリエイターによる多くのオリジナル・ミュージカルを製作。日本のミュージカルの成長と普及のために力を尽くしている。公益社団法人日本演劇協会会員。「ハマナカトオル作品集」HPを設置している。
エピック系の壮大なオーケストラ曲から、民族系、ロック、ジャズ、ポップスの歌モノ、アバンギャルドで前衛的なものまで、型に収まりきらない幅広いジャンルの音楽性で、これまで様々な方面での楽曲制作に関わる。京都在住で関西を拠点に音楽家として活動中。 主な作品はOSK日本歌劇団「Salieri&Mozart」、「JONNYS’ 2020WORLD(帝国劇場)」、一茶企画「Listen to My Life」、「レビュー春の踊り(新橋演舞場)」、「歌劇ザ・レビュー チーム奏(ハウステンボス会場)」、mint Music「HIGT FLY YELL!!(大阪・近鉄アート館)」、あにまるぷらねっと「星屑ヘリオグラフ」、NHKサウンドライブラリー等。ミュージカル座ハマナカトオルとは、2023年12月、ミュージカル「パラレル」の作曲・編曲・音楽監督として初コンビを組んだ。
東京都出身。ミュージカル座所属。
幼少期よりダンスを学び、レコード大賞や紅白歌合戦などダンサーとして多くのイベントやTV番組に出演。舞台芸術学院ミュージカル部別科卒業後、ミュージカル座創立と同時に入団。数多くの作品で演出助手や振付助手としてカンパニーを引っ張ってきた。「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「舞台に立ちたい」「サイト」「アワード」「プロパガンダ・コクピット」「雲母紙鳶」などでは振付も担当。黒木瞳主演「ママ・ラヴズ・マンボ」3作品では振付助手をつとめた。最近はハマナカトオル作品「ひめゆり」「何処へ行く」「ルルドの奇跡」「ハートスートラ」「ファミリア!」「ハリウッドは大騒ぎ」「サイト」の演出・振付を担当している。
広島生まれ千葉育ち。6歳よりヴァイオリンを始める。東京音楽大学声楽演奏家コース卒業、同大学院修士課程修了。第47回イタリア声楽コンコルソ(シエナ部門)入選。二期会オペラ研修所、東京音楽大学非常勤助手などを経て、これまでに多数のオペラやコンサートに出演。国内外アーティストのバックコーラスとしても、コンサートや音楽番組、レコーディング等に参加。またNPO事業において各地で合唱指導、ピアノ伴奏、コンサートの運営等を行っている。ミュージカル座には「ひめゆり」神谷先生役、「ロザリー」アラン役、「何処へ行く」キロン役、「ゴースト・ミュージカル」おじいさん役、「ルルドの奇跡」ポミアン神父役、「東京ミュージカル」吉岡岩根/辻󠄀信夫役などで出演のほか、「ひめゆり」「ゴースト・ミュージカル」「パラレル」で歌唱指導をつとめている。
作家・メロリス
浦壁多恵ポポロ大統領
麻田キョウヤウラル三世
荒田至法セシム
国務長官
ビットリ元帥
ビットリ元帥
アルマ
アルマ
ガベル
ガベル
キーオ
国防長官
ダリー
財務長官
ダリー
財務長官
メサーラ
宣伝大臣
メサーラ
宣伝大臣
マラキ・ヘザー秘書官
マラキ・ヘザー秘書官
アナ
アナ
ユニス
ウラル四世
ウラル四世
ユニス
リビ
リビ
テルマ
テルマ
カルハ
カルハ
ビーバ
ビーバ
ハムニ
ハムニ
リスニ
リスニ
チーダ・コーリン
チーダ・コーリン
バミル・マンモ
バミル・マンモ
サデス・アガタ
ラミラル・ハルレ
ラミラル・ハルレ
トリチエ・パイパー
トリチエ・パイパー
イソ・クラレ
イソ・クラレ
ジア・エレネ
ジア・エレネ
ミル・キアラ
ミル・キアラ
アク・テス
アク・テス
法王クク十六世
組サデス役・アガタ役で出演予定でした塩塚 玲さんは、壊死性筋膜炎のため急逝されました。
「平和な星」カンパニーそして塩塚さんと共演した関係者一同、心よりご冥福をお祈りいたします。
組サデス役・アガタ役は、ダブルキャストの小牧菜奈がシングルキャストで務めます。
2024年06月06日(木) ~ 06月09日(日)
☞ 都営地下鉄大江戸線「光が丘」駅下車(A4出口)
☎ 03-3976-2000
ヒル | ヨル | |
6/6(木) | 18:30 | |
6/7(金) | 13:00 | 18:30 |
6/8(土) | 12:00 | 17:30 |
6/9(日) | 12:00 |
受付開始および開場は開演の30分前です。
※本公演は 組・ 組の一部シングルキャストで上演致します。
※出演者ならびに出演スケジュールに変更がありました場合は、何卒悪しからずご了承下さい。出演者変更の場合でも、払い戻しはいたしかねます。
※残席ある場合は、劇場受付にて当日券を開演30分前より販売いたします。ご観劇当日のご予約は承っておりません。当日券をご利用下さい。
※車いすでご来場されるお客様は、お席の指定などがございますので、ミュージカル座までご連絡をお願い致します。
■3歳以下のお子様のご入場はできません。
■出演者との面会はございません。
■マスクをしていない状態での大きな声での会話はお控えください。
■OEN席プログラムお引換えについて
OEN席プログラムのお引換えは、『ご観劇当日の劇場ロビーでのお引換えのみ有効』となります。引き換えのお忘れや、誤って物販にてご購入いただいた場合でも、チケット代やプログラム代のご返金はいたしかねます。
【スタンド花・アレンジ花・お花束について】
■ロビーに飾るお祝い花(スタンド・アレンジ・鉢物)について。
※ラメで装飾されているお花はご遠慮下さい。
《お受け取り可能日時》
6/6(木)13時~15時
(上記は目安の時間帯です。多少お時間がずれてもお受け取り可能です。)
《指定業者について》
お祝い花をお贈りいただく際は、下記の指定業者へのお申込みをお願い致します。
株式会社PREMIER GARDEN(プレミアガーデン)
https://www.prrr.jp/
※ご注文はWEBサイトよりお申込み下さい。
※お届け先には「出演者名」の記載をお願いいたします。
※WEBサイトには、お祝い花写真の例も掲載されております。ご参照下さい。
〠 330-0061
埼玉県さいたま市浦和区常盤9-8-15 松本ビル
【東京営業所】
〠170-0013
東京都豊島区東池袋1-34-5 いちご東池袋ビル6F
TEL:048-825-7460
FAX:048-825-7461
E-mail:m-za.info@musical-za.co.jp
最近の地球情勢を憂慮しています。毎日ニュースを見ながら、平和な地球が訪れないことにつらい気持ちになります。考え続けた日々のなか、このミュージカルを発想しました。
アリストパネスの「女の平和」という戯曲があります。今から2,400年以上も前に、古代ギリシャで上演されたギリシャ喜劇です。男たちが戦争ばかりして困るので、女たちが戦争を続けるならセックス・ストライキをすると宣言。男たちはほとほと困って戦争をやめたという舞台劇です。「そんなことで戦争やめるかなあ」と思う方もいらっしゃるでしょう。でもこれはコメディ。笑いながら、人間というものについて考えるヒントにすればよいのです。「女の平和」は、現代でも反戦喜劇として力を持っています。2003年、アメリカがイラクに侵攻した「イラク戦争」の時、ヨーロッパの演劇人を中心としたプロジェクトが立ち上がり、全世界に呼びかけて、いっせいに「女の平和」の朗読会を行いました。その数、なんと59カ国。1,000箇所以上に及んだそうです。
私は、戦争喜劇というと、チャップリンの名作映画「独裁者」を思い浮かべます。笑いながら見ているうちに、力強い平和と民主主義に期待するメッセージが胸に刺さり、「ああ、演劇を志す者は、こういう作品を作らなきゃだめだよなあ。」と思わされます。今回「平和な星」を作曲してくれる浅野五朗さんも何度も繰り返し観るほど好きな映画だそうです。「2001年宇宙の旅」の巨匠スタンリー・キューブリックの「博士の異常な愛情」も、評価の高い反戦喜劇映画です。この作品では、最後に核戦争が止められず地球規模で最悪の悲劇が起こるのですが、そうなってほしくないと誰にも思わせる強い力を持っています。
エンターテインメントに携わる人間として、反戦をメッセージに作品を作りたいという思いは、常に頭の中にあります。生きる意味と言っても過言ではない。今のロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナの悲惨なニュースを目にするたび、平和に導く方法はないものかと考えをめぐらします。「女の平和」が描いた平和に導くための方法とは違いますが、私もアイデアがあったので、この作品を書くことに決めました。
一緒にミュージカルを創ってくれる作曲家は、昨年「パラレル」で、素晴らしい音楽を作曲してくれた浅野五朗さん。今回も、場面にぴったりの素敵な曲たちが出来上がっています。壮大で、痛快。ユーモアも感じる楽曲たち。前作も喜劇でしたが、喜劇タッチの作品に、浅野さんの曲は相性ばっちりだなあと感じています。実力キャストの歌とダンスと演技によって完成する本番のパフォーマンスが楽しみです。
これは、ミュージカルで訴えたい平和への願いです。馬鹿馬鹿しいコメディ、絵本のような寓話劇ですが、笑っているうちに、誰もが平和への道を目指してほしい。平和な星であってほしい。そんな気持ちを込めて創作します。今、日本の演劇人が作らなければならない舞台を目指して挑みたいと思います。どうぞご期待ください。