何処へ行く(2021)|ミュージカル座は新しい国産ミュージカルの創造と普及を目的に、1995年に創立した劇団です。今を生きる人とミュージカルの感動を分かち合うために歩みを続けています。オリジナル・ミュージカルなら!!

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ミュージカル座9月公演 『何処へ行く』

ミュージカル座9月公演 『何処へ行く』 何処へ行く(2021)
 

 

 

脚本・作詞・演出・振付/ハマナカトオル  作曲・編曲・音楽監督/tak

共同演出/梅沢明恵

2021年9月23日(木)~9月27日(月)
THEATRE1010(シアター1010)

 

北千住駅西口 マルイ11F 〒120-0034 東京都足立区千住3-92

TEL.03-5244-1010            https://www.t1010.jp/

 


【写真は過去の公演より】

 

 

「ミュージカル座の新作で、ものすごい大作だった。休憩を入れて2時間50分。ほとんど歌で綴るミュージカルで、パンフレットには、第一幕=25曲/第二幕=18曲と記されている。全部で43曲。すごい。脚本・作詞・演出=ハマナカトオル、作曲・編曲=tak。この話は、私などは、まず往年のハリウッド映画「クォ・ヴァディス」(1952)を思い浮かべてしまう。ロバート・テイラーとデボラ・カーだったなんて思い出したりもするのだが、このミュージカル版は、音楽の迫力に押されっぱなしだった。西暦64年のローマ。第5代皇帝ネロの時代。軍人マルクス(松原剛志)は、クリスチャンのリギア(彩乃かなみ)と恋に落ち、ついにはネロと対立することになる。結局のところ、ローマ・カトリックの始まりまでを描いているのだが、なんという大作と圧倒された。宝田明がイエスの使徒ペテロ役で出演。コーラスの厚みがすごく、そこから彩乃かなみのソロが抜き出てくるところが見事だった。」

 

 

ノーベル文学賞を受賞したポーランドの作家シェンキェヴィッチ(1846-1916)の代表作「クオ・ヴァディス(何処へ行く)」を、全編歌で綴るポップ・オペラ形式のミュージカルに仕立て、そのスケール感の大きさが「ものすごい大作(小藤田千栄子氏評)」と驚嘆されたミュージカル「何処へ行く」。西暦60年代のローマ帝国を舞台に、暴君ネロの悪政に反旗を翻した軍団将校マルクス・ウィニキウスと王女リギア姫との恋愛、ペテロの布教とキリスト教徒の迫害、ローマの大火など波瀾万丈のストーリーを、現代的な音楽とスピーディーな演出で描きます。「ひめゆり」「アワード」など多くのミュージカルを創作して来たミュージカル座代表のハマナカトオルと、米国ロサンジェルスで音楽を学び、宝塚歌劇団などの音楽を手がける作曲家takがコンビを組んで、全編壮大なエネルギーに溢れた音楽を書き上げたオリジナル・ミュージカルです。

 

男女の恋愛を軸にしたストーリー、ローマ帝国とキリスト教の思想対決の構図、繁栄を極めた文明の未来など、作者ハマナカトオルが20年来構想をあたため、一番発表したいと思っていたミュージカルです。世界的な原作小説をもとに、名曲と名シーンに彩られたオリジナル・ミュージカルは、これまでの日本のオリジナル・ミュージカルのスケール感を遥かに超える壮大な作品となっています。さらに作品と演出を練り直し、新たなキャストを加えて2021年9月、シアター1010にて4度目の上演決定!!どうぞご期待ください!!

 

 

西暦60年代。暴君ネロの治世下でのローマ帝国は、ヨーロッパの大部分を支配していた。イエス・キリストの十字架刑から30年。使徒ペテロたちの伝道によって、キリスト教徒はひそかに信者の数を増やしていた。ローマ皇帝ネロは虚栄心の強い残虐な暴君で、自らの芸術的才能を自負することに熱中していた。ローマの軍団将校マルクス・ウィニキウスは、クリスチャンである美しい娘リギアを愛してしまう。ある日ネロの愚かな芸術的野心で、ペトロニウスの反対もむなしく、ローマの町は大火に包まれる。火事で家を失った民衆の怒りによる暴動を恐れたネロは、ローマの火事をキリスト教徒のせいにしてしまう。無実の信者たちは全員捕らえられ、リギアもまた投獄を免れなかった。ネロは信者の処刑を開始。リギアの身にも危険が迫っていた。ウィニキウスはリギアを救うため、命をかけて皇帝に反旗を翻す。そうした悲劇が巻き起こる中、ローマを去った使徒ペテロは、途上で主イエス・キリストに出会う。ひざまずき、「クオ・ヴァディス・ドミネ?(主よ、いずこへ行きたもう?)」と問いかけたペテロに、イエスは衝撃的な言葉で答えるのだった。「お前がローマに戻らなければ、私がローマに行き、もう一度十字架にかかろう。」

 


 

 

上演日程

2021年9月23日(木)~9月27日(月)

上演会場

THEATRE1010(シアター1010)
https://www.t1010.jp
北千住西口 マルイ11F  〒120-0034 東京都足立区千住3-92
TEL:03-5244-1010

 

※公演の詳細は、決定次第発表いたします。

 


 

スタッフ

原作/シェンキェヴィッチ作「クオ・ヴァディス」
脚本・作詞・演出・振付/ハマナカトオル  作曲・編曲・音楽監督/tak  共同演出/梅沢明恵
制作/小宮山雅美 古川愛梨  キャスティング/みづ乃奈央
プロデューサー/ハマナカトオル  企画・製作・主催/ミュージカル座

 


作家プロフィール


 

ハマナカトオル(脚本・作詞・演出・振付)

1958年東京生まれ。ミュージカル作家・演出家・プロデューサー。俳優、宝田明氏が主催する宝田芸術学園でミュージカルを学び、舞台俳優の活動を経て脚本・演出家として独立。数々の作品を発表した。1993年から専門学校舞台芸術学院ミュージカル部別科の主任講師として、19回の卒業公演を作・演出。多くの生徒を育てた。1995年、国産の新作ミュージカルの創造と普及を目的に「ミュージカル座」を創立。劇団代表・座付作家・演出家・プロデューサーとして、「ひめゆり」「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「ゴースト」「ロザリー」「ルルドの奇跡」「サイト」「アインシュタイン・フォーリーズ」「センス・オブ・ワンダー」「ブロードウェイ殺人事件」「ニューヨーカーズ」「スウィング・ボーイズ」「舞台に立ちたい」「三人の花嫁」「コンチェルト」「雪の女王」「不思議なラヴ・ストーリー」「赤ひげ」「わだつみのこえ」「何処へ行く」「マザー・テレサ 愛のうた」「チェアーズ」「スター誕生」「おでかけ姫」「月に歌えば」「ハートスートラ」「結婚行進曲」「タイムトラベラー」「二人でミュージカル」「アワード」「クリスマスに歌えば」「踊る!埼玉」等のオリジナル・ミュージカルや、「ママの恋人」「野の花」等のストレートプレイを発表。劇団外では、松竹「花いくさ」、黒木瞳「ママ・ラヴズ・マンボ」シリーズ、「今井清隆ファースト・コンサート」、「イル・ミュージカーレ」などを手がける。2018年には年間19本のミュージカルを製作。日本のミュージカルの成長と普及のために力を尽くしている。公益社団法人日本演劇協会会員。

 

tak(作曲・編曲・音楽監督)

1981年生まれ。奈良県出身。作曲・編曲家。2001 年ヤマハ音楽院・ベース科を卒業。2005年にアメリカ・ロサンジェルスにて音楽勉強をしながらメジャー・アーティストのサポートベーシストとして活動。日本に帰国後、作曲・編曲家として活動を始める。現在、舞台・テレビドラマ・ゲーム・webCM・ダンスショウケース、ファッションショー、バンドライブなど、1つのジャンルにこだわらず様々なエンターテイメントに作曲として関わる。2011年から、様々なジャンルの音楽製作を行うために、音楽製作チーム「SounDive Orch.」を立ち上げ活動中。主な作品として「メイちゃんの執事」(宝塚歌劇 星組)「魔笛」(天野喜孝×IPPEI)「殿といっしょ」(原作:大羽快)「BASARA」(原作:田村由美)「5jive」(D’OAM)「逆境ナイン」(原作:島本和彦)「忍者じゃじゃ丸君」(原作:大羽快)「魔界転生」(原作:山田風太郎)「戦国無双」「金色のコルダ」「NARUTO-ナルト-」「ヘタリア」等。ミュージカル座のハマナカトオルとコンビを組んで、ミュージカル「何処へ行く」「マザー・テレサ 愛のうた」「おでかけ姫」「踊る!埼玉」と、4作品のオリジナル・ミュージカルの作曲を手がけ、好評を博している。

 

梅沢明恵(共同演出)

東京都出身。ミュージカル座所属。
幼少期よりダンスを学び、レコード大賞や紅白歌合戦などダンサーとして多くのイベントやTV番組に出演。舞台芸術学院ミュージカル部別科卒業後、ミュージカル座創立と同時に入団。数多くの作品で出演と同時に演出助手や振付助手としてカンパニーを引っ張ってきた。「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「舞台に立ちたい」「サイト」「アワード」「プロパガンダ・コクピット」などでは振付も担当。黒木瞳主演「ママ・ラヴズ・マンボ」シリーズ3作品では振付助手をつとめた。「何処へ行く」では初演から、出演すると共に振付助手・演出助手を務めてきた。2021年3月の「ひめゆり」(彩の国さいたま芸術劇場大ホールにて上演)より、演出を務める。

 


 

  我々は何処へ行くのか

 

                                                        脚本・作詞・演出・振付/ハマナカトオル

   ヘンリック・シェンキェヴィッチの小説「クオ・ヴァディス」をミュージカルにしてみたいと最初に考えたのは、もう20年以上も前のことです。主人公の男女の恋愛、暴君ネロによる原始キリスト教徒の迫害やローマの大火、闘技場での戦いなど、エンターテインメントの要素をぎっしり詰め込んだような波瀾万丈のストーリーで、いつか私もこんな華やかなミュージカルを創ってみたいと思っていました。しかし、あらためて原作を読み返しますと、強大な武力によって他国と民族を支配した、豊かなエネルギー大量消費型のローマ帝国と、愛と清貧の思想を掲げ、殺人を否定し贅沢を戒めた原始キリスト教の二つの価値観が、この小説の中に丁寧に描かれていることが胸に響きます。私たち日本人は、そして人類は、これから先、何処へ行く道を選ぶのだろうと、このミュージカルを創作しながら考える日々でした。震災と原発事故を経験した私たち日本人が、よりよい未来に進むため、今こそ道を間違ってはならないと考えるためのミュージカルにしたいと願っていました。

   創作を始める時から、この作品は全編歌で綴るミュージカルにしようと決めていました。全編歌のミュージカルは、日本のミュージカルとしては少数派ですが、私はそのミュージカルならではの醍醐味と面白さに魅了され、創作の虜になっている日本人の一人です。ストーリーと音楽が全てのシーンでひとつになって、交響曲のように全体で響き合う構成を考えることは、私の最高の楽しみでもあります。しかし、作曲家は通常のミュージカルの何倍もの曲を書かなければならない、過酷な仕事に付き合わされることになります。このミュージカルは43曲で構成されていますが、1曲ごとに、何度も書き直しをしていますので、1本のミュージカルが完成するまでには、途方もない労力を必要とします。今回、私に付き合って、このミュージカルを創作するきびしい冒険の旅に出てくれたのは、売れっ子ミュージカル作曲家・音楽監督の玉麻尚一さんから、「素晴らしい才能の男です」と紹介された若手音楽家のtakさんです。曲が出来上がるたびに、彼が本当に素晴らしいメロディーメイカーで編曲家であることが分かって、私の胸を躍らせました。ロサンジェルスで音楽の勉強をしていた方だけに、ハリウッドの映画音楽を思わせる奥行きのある世界観は、バック・ミュージックだけで場面の変化や登場人物の個性を表すに充分です。今までの私のミュージカルにはなかった、若く新しい感覚が、彼の音楽によって生み出されつつあることに新鮮な刺激と元気をもらいながら、曲づくりを行いました。

   台本=曲づくりに関して、私が特に大事にしたかったのは、美しいアリアを書くこと、洗練されたレチタティーヴォを書くこと、効果的なメロディーの繰り返しをストーリーの中に組み込むことでした。私が理想とするレチタティーヴォは、自然な会話として聞こえつつ、音楽的にも美しく、役の個性が表れているもの。メロディーの繰り返しにも、クリスチャンであることなど、その役の立場を表す意味が、きちんと含まれていることを理想として設計しました。尊敬するアンドリュー・ロイド=ウェバーやスティーヴン・ソンドハイムの名作を分析しながら、作曲家と共にミュージカルの美しい設計図を描いて行く作業は、困難な仕事だけに、挑戦しがいのある冒険です。この作品は、主人公のマルクス・ウィニキウスとリギアの愛をはじめ、複数の男女の愛、ローマへの愛、主イエス・キリストへの愛、人類への愛など、様々な愛の形が描かれます。takさんが作曲した美しく多彩なメロディーが、舞台全体に調和し、響き合い、愛のストーリーを描き出すよう、丁寧に創り上げたいと思っています。

   全体的な演出としては、音楽の舞台であるということを最重要視して、音楽の流れを損なわないように極力暗転を取らず、流れるようなストーリー展開で、音楽の繋ぎのまま、次の場面へ進んで行くこと。椅子やテーブルなどの置き道具も極力出さずに場面を描き、スピーディーで鮮やかな転換を心掛けることをコンセプトにしていました。結果的に、あちこちに段差が必要な舞台になりましたので、この世界の中で、より美しく芸術的な絵が描けるよう、一場面一場面を、こまかく創って行きたいと思っています。ローマという一つの街を描きますので、アンサンブルの動きと歌が、とても重要なミュージカルだと認識していました。そのため、譜面上でもステージングでも、アンサンブルの果たす役割は非常に大きく、この作品を支える重要なポイントとなっています。

   「何処へ行く~クオ・ヴァディス」は、日本人にも、小説や映画で知られたストーリーですが、セリフで語られる通常のお芝居とは違う、全編歌で綴られるミュージカルならではの舞台表現の魅力と感動を、お客様に体験して頂き、こうしたジャンルの舞台芸術を好きになっていただけたら、これに勝る喜びはありません。そして、日本人の手による新しいミュージカル創作活動のエネルギーが、一層活発な時代となって、優れた多彩な作品の創造に結びつきますよう、心を込めて製作致します。

 


ミュージカル「何処へ行く」ストーリー


第一幕

(M1)イエス・キリストの十字架刑は、キリスト教の始まりを告げた。荘厳な聖歌の合唱による幕開き。(M2)イエスの死から30年以上がたった西暦64年のローマ。ローマ貴族ペトロニウスが、この時代のローマを歩きながらローマ人の考え方を述べる。(M3)ローマの宮殿には、第五代ローマ皇帝ネロが絶大な権力で君臨していた。偉大な芸術家気取りのネロは、自作の曲を歌うことを好んでいた。ネロの周囲は、延命のため心にもないお追従を言う側近ばかり。(M4)ペトロニウスは、宮殿で、自分の甥であり、戰から帰国したばかりの軍団将校マルクス・ウィニキウスと出会い、自分の屋敷に連れてくる。マルクスは、戰で負った怪我を治した古将軍プラウティウスの屋敷で、リギアという名の娘に恋をしたことをペトロニウスに告白。(M5)ペトロニウスとマルクスは、プラウティウスの屋敷を訪れる。単一の神を信仰しているというプラウティウスの家族にローマとは違うものを感じるペトロニウス。マルクスはリギアと再会するが、軍人気質の彼の強引な求愛をリギアは受け入れない。(M6)ペトロニウスは一計を案じて、リギ族の王の忘れ形見でローマの人質であるリギアを、皇帝の命令により一旦宮廷に入れて、皇帝から戦の褒美としてマルクスに渡せば、プラウティウスも逆らえないと判断、皇帝の了解を取り付ける。マルクスに心惹かれた悩みを主に告白するリギア。(M7)ネロの親衛隊司令官ティゲリヌスがプラウティウスの屋敷に来て、リギアを宮廷に連行する。プラウティウスの妻ポンポニアは、宮廷でただ一人信頼出来るアクテに手紙を書く。(M8)アクテは、ネロのかつての愛人であり、今は見放されて宮廷の女官となっていた。リギアの世話をすることになったアクテは、リギアを宮廷用の衣裳に着替えさせる。リギアを返してもらうため、宮廷に直訴に向かったプラウティウスは、ティゲリヌスとセネカたち側近に冷たく追い払われる。(M9)宮廷の宴会でリギアと再会したマルクス。(M10)ネロは貴族の求めに応じて、「神の炎で汚い街を燃やし、新しい街をつくろう」という内容の歌を歌う。(M11)ネロの妃である皇后ポッパエアが宴会に入場。ネロはマルクスに戰の褒美としてリギアを与えることを伝える。(M12)ペトロニウスは、この宮廷のらんちき騒ぎを小説に書くとマルクスに語る。ローマはいつか限界を迎えるというペトロニウスと、栄光は永遠だというティゲリヌスの議論。(M13)リギアは、逃亡を決意する。アクテの部屋を訪れたポッパエアは、リギアの美しさに脅威を抱く。ポッパエアの娘である皇女が、リギアに会った途端に高熱を出し泣き出したので、ポッパエアは、リギアが皇女に呪いをかけたと思い込む。(M14)自分の体ひとつで皇后にまで上りつめたポッパエアは、戰の英雄マルクスを自室に呼び、褒美として自分を与えようとするが、マルクスに拒否されて、激しい怒りに燃える。(M15)籠に載せられ、マルクスの屋敷に運ばれるリギアを、従者である巨人ウルススが奪還。リギアは姿を消す。リギアを連れ帰ることに失敗した奴隷たちに激怒し、鞭を振るうマルクス。(M16)ペトロニウスは、リギアを失ったマルクスに女奴隷のエウニケを与えようとするが、エウニケの涙の抗議で取り止める。(M17)リギアをさがしてローマを歩き回るマルクス。だが、リギアの行方は分からない。(M18)ペトロニウスへの愛を歌うエウニケ。ペトロニウスは、キロンという予言者なら、リギアの居場所をさがせそうだとマルクスに教える。(M19)キロンを訪ねたマルクス。キロンは、マルクスの話からリギアをクリスチャンと断定。クリスチャンの集会に行けば必ず会えるはずだと教える。(M20)郊外の墓地で開かれたクリスチャンの集会に紛れ込んだマルクス。(M21)イエスの使徒ペテロがローマに布教のため訪れたところで、集会は、ペテロの説教を聞く夜となった。(M22)病気による幼い皇女の死を嘆き悲しむネロ。いよいよ古いローマを焼き、すべてを一新したいという気持ちが強くなる。(M23)クリスチャンの集会でリギアを発見したマルクス。リギアを奪還しようとするが、無敵の巨人ウルススに阻まれる。ウルススの一撃で気絶させられたマルクス。(M24)翌朝、クリスチャンであるミリアムの家で目覚めたマルクスは、リギアと再会し、今までの非礼を詫び求婚、リギアも受け入れる。だが、彼と共に主イエスも愛するというリギアを理解出来ないマルクスは、リギアと言い争い、キリスト教がローマの脅威となるなら、剣を持って戦うと言い残して出て行くのだった。(M25)「明日こそは過去を変えよう」と心に決める登場人物たちの誓いの歌。ローマが大火事になっている一報を聞き、「これでネロは歴史に名を残した」と嘆くペトロニウスの言葉で第一幕の緞帳が降りる。

 

第二幕

(M26)ローマの街は大火によって真っ赤に燃え上がった。逃げ惑う民衆の阿鼻叫喚でローマは地獄絵図となる。必死でリギアをさがすマルクス。「ネロの兵隊たちがローマに火をつけた」という民衆の言葉で、民衆から襲われるマルクス。(M27)命からがらティベリス川のほとりに避難してきたリギア。ミリアムの娘アティアがおなかにひどい怪我をしている。神に祈るリギア。ペテロが登場し、アティアの傷に手を当てると、アティアの怪我が治癒する奇跡が起こる。(M28)宮殿から燃えさかるローマを見下ろし、これが芸術だと得意になって悲劇の歌を歌うネロ。(M29)リギアとミリアムは、ペテロに、ローマを離れて布教を続けるように懇願する。ペテロに同行したいと願うミリアムの息子ナザリウス。(M30)この悲劇は、本当にネロの仕業なのだろうか。皇帝の軍人であるマルクスの失望に、ウルススが「守るべきものをお守りください」と語る。(M31)皇帝の軍人としての地位を捨て、リギアと共に生きようと決意するマルクス。苦しめてきた自分の屋敷の奴隷たちをすべて解放する。(M32)被災した大勢の民衆が宮殿に押しかけ、抗議の声を上げて騒ぎ出したため、大火を起こした犯人を提示して民衆を沈静化させる必要に迫られたネロは、ポッパエアの進言で、クリスチャンを犯人として捕らえ、処刑するよう命令を下す。皇帝に激しく抗議したペトロニウスは、自らの最期を悟る。(M33)マルクスは部下の兵士と共にペトロニウスを訪れ、ガルバ将軍をネロに代わり皇帝に推す書類に署名してほしいと頼む。ペトロニウスは、ネロによってクリスチャンが大火の犯人にでっち上げられ、リギアの身にも危険が迫っていることをマルクスに知らせる。(M34)死を決意したペトロニウスは、今夜屋敷に友達を招き、宴会を開くようエウニケに命じる。主人と共に旅立つことを決意するエウニケ。(M35)ティゲリヌスの親衛隊は街に繰り出し、クリスチャンを次々逮捕して投獄する。プラウティウスの家族やリギア、ミリアムの家族も牢獄に入れられる。アクテはリギアの牢獄を突き止める(M36)が、リギアは、マルクスがここを知ると、救出しようとして捕まる恐れがあるので、知らせないでくれとアクテに頼む。(M37)キロンにリギアの場所を教えてもらったマルクスは、リギアと再会。だが救出は失敗し、キロンと共に牢獄の中に捕らえられてしまう。牢獄の中でプラウティウス夫妻と和解するマルクス。闘技場にはライオンが放され、捕らえられたクリスチャンを生きたまま餌食にする恐ろしい処刑が計画されていた。最悪の恐怖の中、奇跡を祈るリギア。(M38)ナザリウスを連れてローマを離れたペテロは、アッピア街道で、主イエス・キリストと出逢う。驚き、「クオ・ヴァディス、ドミネ?(何処へ行かれるのですか、主よ)」と問うたペテロに対し、イエスは、「お前が私の民を見捨てるのなら、私がローマに行き、もう一度十字架にかかろう」と答える。主の言葉を聞いたペテロは、今来た道を引き返すのだった。(M39)ペトロニウスは、友達を招いた自宅の宴会でエウニケと共に手首を切り、最期にネロに当てた手紙をセネカに託して自害する。(M40)ペトロニウスの最期の手紙を読んで激怒したネロは、ペトロニウスの甥であるマルクスも、最も残虐な方法で処刑せよと命令。ポッパエアがその処刑を計画する。闘技場に十字架が並べられ、火あぶりの刑に処せられる無実のクリスチャンたち。彼らが幸福な顔で歌いながら死んで行く事に驚くネロ。ペテロが闘技場に到着し、イエスの言葉で信者たちを力づける。(M41)拘束され、ネロのもとに連れて来られたペテロ。ローマに主の都を建設するのだと言うペテロに、ネロは死刑を宣告する。十字架に逆さにはりつけられて処刑されるペテロ。闘技場では、杭に縛り付けられたマルクスの前で、リギアを背中に縛り付けた野牛とウルススとの戦いが見世物として始まる。大喜びするネロ。だが、無双の力を持つウルススは、野牛を倒し、リギアとマルクスを救出する。マルクスは闘技場を埋めた大観衆に向かって、大火の犯人はネロであること、ガルバ将軍の軍隊がネロを倒すためローマに向かっていることを告げる。民衆は一転して、ネロを放火魔とののしり、ガルバの名を讃え始める。(M42)ガルバ将軍の軍隊が宮殿に押し寄せ、ついに親衛隊司令官のティゲリヌスも殺される。進退きわまったネロは、ポッパエアを殺し、自らはアクテに介錯を頼んで自害する。死んだ皇帝を抱くアクテ。(M43)ペテロの墓に花を手向け、未来へと歩みを始めるリギアとマルクス。ペテロが処刑されたバチカンの丘、それが、ローマ・カトリックの始まりの地となった。

 


公演のお問い合わせ

〒330-0061 埼玉県さいたま市浦和区常盤9-8-15 松本ビル
TEL:048-825-7460     FAX:048-825-7461
E-mail:m-za.info@musical-za.co.jp

 

 
はじめに
何処へ行く
大作ミュージカル『何処へ行く』2021年9月公演決定!!

ノーベル文学賞を受賞したポーランドの作家シェンキェヴィッチ(1846-1916)の代表作「クオ・ヴァディス(何処へ行く)」を、全編歌で綴るポップ・オペラ形式のミュージカルに仕立て、そのスケール感の大きさが「ものすごい大作(小藤田千栄子氏評)」と驚嘆されたミュージカル「何処へ行く」。西暦60年代のローマ帝国を舞台に、暴君ネロの悪政に反旗を翻した軍団将校マルクス・ウィニキウスと王女リギア姫との恋愛、ペテロの布教とキリスト教徒の迫害、ローマの大火など波瀾万丈のストーリーを、現代的な音楽とスピーディーな演出で描きます。「ひめゆり」「アワード」など多くのミュージカルを創作して来たミュージカル座代表のハマナカトオルと、米国ロサンジェルスで音楽を学び、宝塚歌劇団などの音楽を手がける作曲家takがコンビを組んで、全編壮大なエネルギーに溢れた音楽を書き上げたオリジナル・ミュージカルです。

構想20年!! 波乱万丈、壮大なスケールで描く歴史絵巻!!

男女の恋愛を軸にしたストーリー、ローマ帝国とキリスト教の思想対決の構図、繁栄を極めた文明の未来など、作者ハマナカトオルが20年来構想をあたため、一番発表したいと思っていたミュージカルです。世界的な原作小説をもとに、名曲と名シーンに彩られたオリジナル・ミュージカルは、これまでの日本のオリジナル・ミュージカルのスケール感を遥かに超える壮大な作品となっています。さらに作品と演出を練り直し、新たなキャストを加えて2021年9月、シアター1010にて4度目の上演決定!!どうぞご期待ください!!

ストーリー

西暦60年代。暴君ネロの治世下でのローマ帝国は、ヨーロッパの大部分を支配していた。イエス・キリストの十字架刑から30年。使徒ペテロたちの伝道によって、キリスト教徒はひそかに信者の数を増やしていた。ローマ皇帝ネロは虚栄心の強い残虐な暴君で、自らの芸術的才能を自負することに熱中していた。ローマの軍団将校マルクス・ウィニキウスは、クリスチャンである美しい娘リギアを愛してしまう。ある日ネロの愚かな芸術的野心で、ペトロニウスの反対もむなしく、ローマの町は大火に包まれる。火事で家を失った民衆の怒りによる暴動を恐れたネロは、ローマの火事をキリスト教徒のせいにしてしまう。無実の信者たちは全員捕らえられ、リギアもまた投獄を免れなかった。ネロは信者の処刑を開始。リギアの身にも危険が迫っていた。ウィニキウスはリギアを救うため、命をかけて皇帝に反旗を翻す。そうした悲劇が巻き起こる中、ローマを去った使徒ペテロは、途上で主イエス・キリストに出会う。ひざまずき、「クオ・ヴァディス・ドミネ?(主よ、いずこへ行きたもう?)」と問いかけたペテロに、イエスは衝撃的な言葉で答えるのだった。「お前がローマに戻らなければ、私がローマに行き、もう一度十字架にかかろう。」

スタッフ プロフィール紹介
ハマナカトオル(脚本・作詞・演出・振付)

1958年東京生まれ。ミュージカル作家・演出家・プロデューサー。俳優、宝田明氏が主催する宝田芸術学園でミュージカルを学び、舞台俳優の活動を経て脚本・演出家として独立。数々の作品を発表した。1993年から専門学校舞台芸術学院ミュージカル部別科の主任講師として、19回の卒業公演を作・演出。多くの生徒を育てた。1995年、国産の新作ミュージカルの創造と普及を目的に「ミュージカル座」を創立。劇団代表・座付作家・演出家・プロデューサーとして、「ひめゆり」「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「ゴースト」「ロザリー」「ルルドの奇跡」「サイト」「アインシュタイン・フォーリーズ」「センス・オブ・ワンダー」「ブロードウェイ殺人事件」「ニューヨーカーズ」「スウィング・ボーイズ」「舞台に立ちたい」「三人の花嫁」「コンチェルト」「雪の女王」「不思議なラヴ・ストーリー」「赤ひげ」「わだつみのこえ」「何処へ行く」「マザー・テレサ 愛のうた」「チェアーズ」「スター誕生」「おでかけ姫」「月に歌えば」「ハートスートラ」「結婚行進曲」「タイムトラベラー」「二人でミュージカル」「アワード」「クリスマスに歌えば」「踊る!埼玉」等のオリジナル・ミュージカルや、「ママの恋人」「野の花」等のストレートプレイを発表。劇団外では、松竹「花いくさ」、黒木瞳「ママ・ラヴズ・マンボ」シリーズ、「今井清隆ファースト・コンサート」、「イル・ミュージカーレ」などを手がける。2018年には年間19本のミュージカルを製作。日本のミュージカルの成長と普及のために力を尽くしている。公益社団法人日本演劇協会会員。

tak(作曲・編曲・音楽監督)

1981年生まれ。奈良県出身。作曲・編曲家。2001 年ヤマハ音楽院・ベース科を卒業。2005年にアメリカ・ロサンジェルスにて音楽勉強をしながらメジャー・アーティストのサポートベーシストとして活動。日本に帰国後、作曲・編曲家として活動を始める。現在、舞台・テレビドラマ・ゲーム・webCM・ダンスショウケース、ファッションショー、バンドライブなど、1つのジャンルにこだわらず様々なエンターテイメントに作曲として関わる。2011年から、様々なジャンルの音楽製作を行うために、音楽製作チーム「SounDive Orch.」を立ち上げ活動中。主な作品として「メイちゃんの執事」(宝塚歌劇 星組)「魔笛」(天野喜孝×IPPEI)「殿といっしょ」(原作:大羽快)「BASARA」(原作:田村由美)「5jive」(D’OAM)「逆境ナイン」(原作:島本和彦)「忍者じゃじゃ丸君」(原作:大羽快)「魔界転生」(原作:山田風太郎)「戦国無双」「金色のコルダ」「NARUTO-ナルト-」「ヘタリア」等。ミュージカル座のハマナカトオルとコンビを組んで、ミュージカル「何処へ行く」「マザー・テレサ 愛のうた」「おでかけ姫」「踊る!埼玉」と、4作品のオリジナル・ミュージカルの作曲を手がけ、好評を博している。

梅沢明恵(共同演出)

東京都出身。ミュージカル座所属。
幼少期よりダンスを学び、レコード大賞や紅白歌合戦などダンサーとして多くのイベントやTV番組に出演。舞台芸術学院ミュージカル部別科卒業後、ミュージカル座創立と同時に入団。数多くの作品で出演と同時に演出助手や振付助手としてカンパニーを引っ張ってきた。「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「舞台に立ちたい」「サイト」「アワード」「プロパガンダ・コクピット」などでは振付も担当。黒木瞳主演「ママ・ラヴズ・マンボ」シリーズ3作品では振付助手をつとめた。「何処へ行く」では初演から、出演すると共に振付助手・演出助手を務めてきた。2021年3月の「ひめゆり」(彩の国さいたま芸術劇場大ホールにて上演)より、演出を務める。

公演情報
何処へ行く
公演期間

2021年09月23日(木) ~ 09月27日(月)

公演会場
THEATRE1010(シアター1010)
〠 120-0034
東京都足立区千住3-92

☞ 北千住駅西口 マルイ11F

☎ 03-5244-1010

公演会場 Webサイト

公演スケジュール

決定次第発表いたします

チケット料金 (全席指定/税込)
  • (未定)円
チケット取扱い
ミュージカル座
☎048-825-7460
スタッフ
シェンキェヴィッチ作「クオ・ヴァディス」
【原作】
ハマナカトオル
【脚本・作詞・演出・振付】
tak
【作曲・編曲・音楽監督】
梅沢明恵
【共同演出】
小宮山雅美 古川愛梨
【制作】
みづ乃奈央
【キャスティング】
ハマナカトオル
【プロデューサー】
ミュージカル座
【企画・製作・主催】
コメント

我々は何処へ行くのか

ハマナカトオル 【脚本・作詞・演出・振付】

   ヘンリック・シェンキェヴィッチの小説「クオ・ヴァディス」をミュージカルにしてみたいと最初に考えたのは、もう20年以上も前のことです。主人公の男女の恋愛、暴君ネロによる原始キリスト教徒の迫害やローマの大火、闘技場での戦いなど、エンターテインメントの要素をぎっしり詰め込んだような波瀾万丈のストーリーで、いつか私もこんな華やかなミュージカルを創ってみたいと思っていました。しかし、あらためて原作を読み返しますと、強大な武力によって他国と民族を支配した、豊かなエネルギー大量消費型のローマ帝国と、愛と清貧の思想を掲げ、殺人を否定し贅沢を戒めた原始キリスト教の二つの価値観が、この小説の中に丁寧に描かれていることが胸に響きます。私たち日本人は、そして人類は、これから先、何処へ行く道を選ぶのだろうと、このミュージカルを創作しながら考える日々でした。震災と原発事故を経験した私たち日本人が、よりよい未来に進むため、今こそ道を間違ってはならないと考えるためのミュージカルにしたいと願っていました。

   創作を始める時から、この作品は全編歌で綴るミュージカルにしようと決めていました。全編歌のミュージカルは、日本のミュージカルとしては少数派ですが、私はそのミュージカルならではの醍醐味と面白さに魅了され、創作の虜になっている日本人の一人です。ストーリーと音楽が全てのシーンでひとつになって、交響曲のように全体で響き合う構成を考えることは、私の最高の楽しみでもあります。しかし、作曲家は通常のミュージカルの何倍もの曲を書かなければならない、過酷な仕事に付き合わされることになります。このミュージカルは43曲で構成されていますが、1曲ごとに、何度も書き直しをしていますので、1本のミュージカルが完成するまでには、途方もない労力を必要とします。今回、私に付き合って、このミュージカルを創作するきびしい冒険の旅に出てくれたのは、売れっ子ミュージカル作曲家・音楽監督の玉麻尚一さんから、「素晴らしい才能の男です」と紹介された若手音楽家のtakさんです。曲が出来上がるたびに、彼が本当に素晴らしいメロディーメイカーで編曲家であることが分かって、私の胸を躍らせました。ロサンジェルスで音楽の勉強をしていた方だけに、ハリウッドの映画音楽を思わせる奥行きのある世界観は、バック・ミュージックだけで場面の変化や登場人物の個性を表すに充分です。今までの私のミュージカルにはなかった、若く新しい感覚が、彼の音楽によって生み出されつつあることに新鮮な刺激と元気をもらいながら、曲づくりを行いました。

   台本=曲づくりに関して、私が特に大事にしたかったのは、美しいアリアを書くこと、洗練されたレチタティーヴォを書くこと、効果的なメロディーの繰り返しをストーリーの中に組み込むことでした。私が理想とするレチタティーヴォは、自然な会話として聞こえつつ、音楽的にも美しく、役の個性が表れているもの。メロディーの繰り返しにも、クリスチャンであることなど、その役の立場を表す意味が、きちんと含まれていることを理想として設計しました。尊敬するアンドリュー・ロイド=ウェバーやスティーヴン・ソンドハイムの名作を分析しながら、作曲家と共にミュージカルの美しい設計図を描いて行く作業は、困難な仕事だけに、挑戦しがいのある冒険です。この作品は、主人公のマルクス・ウィニキウスとリギアの愛をはじめ、複数の男女の愛、ローマへの愛、主イエス・キリストへの愛、人類への愛など、様々な愛の形が描かれます。takさんが作曲した美しく多彩なメロディーが、舞台全体に調和し、響き合い、愛のストーリーを描き出すよう、丁寧に創り上げたいと思っています。

   全体的な演出としては、音楽の舞台であるということを最重要視して、音楽の流れを損なわないように極力暗転を取らず、流れるようなストーリー展開で、音楽の繋ぎのまま、次の場面へ進んで行くこと。椅子やテーブルなどの置き道具も極力出さずに場面を描き、スピーディーで鮮やかな転換を心掛けることをコンセプトにしていました。結果的に、あちこちに段差が必要な舞台になりましたので、この世界の中で、より美しく芸術的な絵が描けるよう、一場面一場面を、こまかく創って行きたいと思っています。ローマという一つの街を描きますので、アンサンブルの動きと歌が、とても重要なミュージカルだと認識していました。そのため、譜面上でもステージングでも、アンサンブルの果たす役割は非常に大きく、この作品を支える重要なポイントとなっています。

   「何処へ行く~クオ・ヴァディス」は、日本人にも、小説や映画で知られたストーリーですが、セリフで語られる通常のお芝居とは違う、全編歌で綴られるミュージカルならではの舞台表現の魅力と感動を、お客様に体験して頂き、こうしたジャンルの舞台芸術を好きになっていただけたら、これに勝る喜びはありません。そして、日本人の手による新しいミュージカル創作活動のエネルギーが、一層活発な時代となって、優れた多彩な作品の創造に結びつきますよう、心を込めて製作致します。

ものすごい大作。音楽の迫力に押されっぱなしだった。

小藤田千栄子氏評 【映画・演劇評論家「ミュージカル」誌】

ミュージカル座の新作で、ものすごい大作だった。 休憩を入れて2時間50分。ほとんど歌で綴るミュージカルで、パンフレットには、第一幕=25曲/第二幕=18曲と記されている。全部で43曲。すごい。 脚本・作詞・演出=ハマナカトオル、作曲・編曲=tak。 この話は、私などは、まず往年のハリウッド映画「クォ・ヴァディス」(1952)を思い浮かべてしまう。ロバート・テイラーとデボラ・カーだったなんて思い出したりもするのだが、このミュージカル版は、音楽の迫力に押されっぱなしだった。 西暦64年のローマ。第5代皇帝ネロの時代。軍人マルクス(松原剛志)は、クリスチャンのリギア(彩乃かなみ)と恋に落ち、ついにはネロと対立することになる。結局のところ、ローマ・カトリックの始まりまでを描いているのだが、なんという大作と圧倒された。 宝田明がイエスの使徒ペテロ役で出演。コーラスの厚みがすごく、そこから彩乃かなみのソロが抜き出てくるところが見事だった。

 

ミュージカル「何処へ行く」ストーリー

第一幕

(M1)イエス・キリストの十字架刑は、キリスト教の始まりを告げた。荘厳な聖歌の合唱による幕開き。(M2)イエスの死から30年以上がたった西暦64年のローマ。ローマ貴族ペトロニウスが、この時代のローマを歩きながらローマ人の考え方を述べる。(M3)ローマの宮殿には、第五代ローマ皇帝ネロが絶大な権力で君臨していた。偉大な芸術家気取りのネロは、自作の曲を歌うことを好んでいた。ネロの周囲は、延命のため心にもないお追従を言う側近ばかり。(M4)ペトロニウスは、宮殿で、自分の甥であり、戰から帰国したばかりの軍団将校マルクス・ウィニキウスと出会い、自分の屋敷に連れてくる。マルクスは、戰で負った怪我を治した古将軍プラウティウスの屋敷で、リギアという名の娘に恋をしたことをペトロニウスに告白。(M5)ペトロニウスとマルクスは、プラウティウスの屋敷を訪れる。単一の神を信仰しているというプラウティウスの家族にローマとは違うものを感じるペトロニウス。マルクスはリギアと再会するが、軍人気質の彼の強引な求愛をリギアは受け入れない。(M6)ペトロニウスは一計を案じて、リギ族の王の忘れ形見でローマの人質であるリギアを、皇帝の命令により一旦宮廷に入れて、皇帝から戦の褒美としてマルクスに渡せば、プラウティウスも逆らえないと判断、皇帝の了解を取り付ける。マルクスに心惹かれた悩みを主に告白するリギア。(M7)ネロの親衛隊司令官ティゲリヌスがプラウティウスの屋敷に来て、リギアを宮廷に連行する。プラウティウスの妻ポンポニアは、宮廷でただ一人信頼出来るアクテに手紙を書く。(M8)アクテは、ネロのかつての愛人であり、今は見放されて宮廷の女官となっていた。リギアの世話をすることになったアクテは、リギアを宮廷用の衣裳に着替えさせる。リギアを返してもらうため、宮廷に直訴に向かったプラウティウスは、ティゲリヌスとセネカたち側近に冷たく追い払われる。(M9)宮廷の宴会でリギアと再会したマルクス。(M10)ネロは貴族の求めに応じて、「神の炎で汚い街を燃やし、新しい街をつくろう」という内容の歌を歌う。(M11)ネロの妃である皇后ポッパエアが宴会に入場。ネロはマルクスに戰の褒美としてリギアを与えることを伝える。(M12)ペトロニウスは、この宮廷のらんちき騒ぎを小説に書くとマルクスに語る。ローマはいつか限界を迎えるというペトロニウスと、栄光は永遠だというティゲリヌスの議論。(M13)リギアは、逃亡を決意する。アクテの部屋を訪れたポッパエアは、リギアの美しさに脅威を抱く。ポッパエアの娘である皇女が、リギアに会った途端に高熱を出し泣き出したので、ポッパエアは、リギアが皇女に呪いをかけたと思い込む。(M14)自分の体ひとつで皇后にまで上りつめたポッパエアは、戰の英雄マルクスを自室に呼び、褒美として自分を与えようとするが、マルクスに拒否されて、激しい怒りに燃える。(M15)籠に載せられ、マルクスの屋敷に運ばれるリギアを、従者である巨人ウルススが奪還。リギアは姿を消す。リギアを連れ帰ることに失敗した奴隷たちに激怒し、鞭を振るうマルクス。(M16)ペトロニウスは、リギアを失ったマルクスに女奴隷のエウニケを与えようとするが、エウニケの涙の抗議で取り止める。(M17)リギアをさがしてローマを歩き回るマルクス。だが、リギアの行方は分からない。(M18)ペトロニウスへの愛を歌うエウニケ。ペトロニウスは、キロンという予言者なら、リギアの居場所をさがせそうだとマルクスに教える。(M19)キロンを訪ねたマルクス。キロンは、マルクスの話からリギアをクリスチャンと断定。クリスチャンの集会に行けば必ず会えるはずだと教える。(M20)郊外の墓地で開かれたクリスチャンの集会に紛れ込んだマルクス。(M21)イエスの使徒ペテロがローマに布教のため訪れたところで、集会は、ペテロの説教を聞く夜となった。(M22)病気による幼い皇女の死を嘆き悲しむネロ。いよいよ古いローマを焼き、すべてを一新したいという気持ちが強くなる。(M23)クリスチャンの集会でリギアを発見したマルクス。リギアを奪還しようとするが、無敵の巨人ウルススに阻まれる。ウルススの一撃で気絶させられたマルクス。(M24)翌朝、クリスチャンであるミリアムの家で目覚めたマルクスは、リギアと再会し、今までの非礼を詫び求婚、リギアも受け入れる。だが、彼と共に主イエスも愛するというリギアを理解出来ないマルクスは、リギアと言い争い、キリスト教がローマの脅威となるなら、剣を持って戦うと言い残して出て行くのだった。(M25)「明日こそは過去を変えよう」と心に決める登場人物たちの誓いの歌。ローマが大火事になっている一報を聞き、「これでネロは歴史に名を残した」と嘆くペトロニウスの言葉で第一幕の緞帳が降りる。

第二幕

(M26)ローマの街は大火によって真っ赤に燃え上がった。逃げ惑う民衆の阿鼻叫喚でローマは地獄絵図となる。必死でリギアをさがすマルクス。「ネロの兵隊たちがローマに火をつけた」という民衆の言葉で、民衆から襲われるマルクス。(M27)命からがらティベリス川のほとりに避難してきたリギア。ミリアムの娘アティアがおなかにひどい怪我をしている。神に祈るリギア。ペテロが登場し、アティアの傷に手を当てると、アティアの怪我が治癒する奇跡が起こる。(M28)宮殿から燃えさかるローマを見下ろし、これが芸術だと得意になって悲劇の歌を歌うネロ。(M29)リギアとミリアムは、ペテロに、ローマを離れて布教を続けるように懇願する。ペテロに同行したいと願うミリアムの息子ナザリウス。(M30)この悲劇は、本当にネロの仕業なのだろうか。皇帝の軍人であるマルクスの失望に、ウルススが「守るべきものをお守りください」と語る。(M31)皇帝の軍人としての地位を捨て、リギアと共に生きようと決意するマルクス。苦しめてきた自分の屋敷の奴隷たちをすべて解放する。(M32)被災した大勢の民衆が宮殿に押しかけ、抗議の声を上げて騒ぎ出したため、大火を起こした犯人を提示して民衆を沈静化させる必要に迫られたネロは、ポッパエアの進言で、クリスチャンを犯人として捕らえ、処刑するよう命令を下す。皇帝に激しく抗議したペトロニウスは、自らの最期を悟る。(M33)マルクスは部下の兵士と共にペトロニウスを訪れ、ガルバ将軍をネロに代わり皇帝に推す書類に署名してほしいと頼む。ペトロニウスは、ネロによってクリスチャンが大火の犯人にでっち上げられ、リギアの身にも危険が迫っていることをマルクスに知らせる。(M34)死を決意したペトロニウスは、今夜屋敷に友達を招き、宴会を開くようエウニケに命じる。主人と共に旅立つことを決意するエウニケ。(M35)ティゲリヌスの親衛隊は街に繰り出し、クリスチャンを次々逮捕して投獄する。プラウティウスの家族やリギア、ミリアムの家族も牢獄に入れられる。アクテはリギアの牢獄を突き止める(M36)が、リギアは、マルクスがここを知ると、救出しようとして捕まる恐れがあるので、知らせないでくれとアクテに頼む。(M37)キロンにリギアの場所を教えてもらったマルクスは、リギアと再会。だが救出は失敗し、キロンと共に牢獄の中に捕らえられてしまう。牢獄の中でプラウティウス夫妻と和解するマルクス。闘技場にはライオンが放され、捕らえられたクリスチャンを生きたまま餌食にする恐ろしい処刑が計画されていた。最悪の恐怖の中、奇跡を祈るリギア。(M38)ナザリウスを連れてローマを離れたペテロは、アッピア街道で、主イエス・キリストと出逢う。驚き、「クオ・ヴァディス、ドミネ?(何処へ行かれるのですか、主よ)」と問うたペテロに対し、イエスは、「お前が私の民を見捨てるのなら、私がローマに行き、もう一度十字架にかかろう」と答える。主の言葉を聞いたペテロは、今来た道を引き返すのだった。(M39)ペトロニウスは、友達を招いた自宅の宴会でエウニケと共に手首を切り、最期にネロに当てた手紙をセネカに託して自害する。(M40)ペトロニウスの最期の手紙を読んで激怒したネロは、ペトロニウスの甥であるマルクスも、最も残虐な方法で処刑せよと命令。ポッパエアがその処刑を計画する。闘技場に十字架が並べられ、火あぶりの刑に処せられる無実のクリスチャンたち。彼らが幸福な顔で歌いながら死んで行く事に驚くネロ。ペテロが闘技場に到着し、イエスの言葉で信者たちを力づける。(M41)拘束され、ネロのもとに連れて来られたペテロ。ローマに主の都を建設するのだと言うペテロに、ネロは死刑を宣告する。十字架に逆さにはりつけられて処刑されるペテロ。闘技場では、杭に縛り付けられたマルクスの前で、リギアを背中に縛り付けた野牛とウルススとの戦いが見世物として始まる。大喜びするネロ。だが、無双の力を持つウルススは、野牛を倒し、リギアとマルクスを救出する。マルクスは闘技場を埋めた大観衆に向かって、大火の犯人はネロであること、ガルバ将軍の軍隊がネロを倒すためローマに向かっていることを告げる。民衆は一転して、ネロを放火魔とののしり、ガルバの名を讃え始める。(M42)ガルバ将軍の軍隊が宮殿に押し寄せ、ついに親衛隊司令官のティゲリヌスも殺される。進退きわまったネロは、ポッパエアを殺し、自らはアクテに介錯を頼んで自害する。死んだ皇帝を抱くアクテ。(M43)ペテロの墓に花を手向け、未来へと歩みを始めるリギアとマルクス。ペテロが処刑されたバチカンの丘、それが、ローマ・カトリックの始まりの地となった。

公演のお問い合わせ

ミュージカル座

〠 330-0061
埼玉県さいたま市浦和区常盤9-8-15 松本ビル

TEL:048-825-7460
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