何処へ行く(2021)|ミュージカル座は新しい国産ミュージカルの創造と普及を目的に、1995年に創立した劇団です。今を生きる人とミュージカルの感動を分かち合うために歩みを続けています。オリジナル・ミュージカルなら!!

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ミュージカル座9月公演 『何処へ行く』

ミュージカル座9月公演 『何処へ行く』 何処へ行く(2021)
 

 

 

原作/シェンキェヴィッチ作「クオ・ヴァイス」

脚本・作詞・オリジナル演出/ハマナカトオル

作曲・編曲・音楽監督/tak

演出・振付/梅沢明恵

2021年9月24日(金)~9月27日(月)
THEATRE1010(シアター1010)

 

北千住駅西口 マルイ11F 〒120-0034 東京都足立区千住3-92

TEL.03-5244-1010            https://www.t1010.jp/

 


【写真は過去の公演より】

 

 

「ミュージカル座の新作で、ものすごい大作だった。休憩を入れて2時間50分。ほとんど歌で綴るミュージカルで、パンフレットには、第一幕=25曲/第二幕=18曲と記されている。全部で43曲。すごい。脚本・作詞・演出=ハマナカトオル、作曲・編曲=tak。この話は、私などは、まず往年のハリウッド映画「クォ・ヴァディス」(1952)を思い浮かべてしまう。ロバート・テイラーとデボラ・カーだったなんて思い出したりもするのだが、このミュージカル版は、音楽の迫力に押されっぱなしだった。西暦64年のローマ。第5代皇帝ネロの時代。軍人マルクス(松原剛志)は、クリスチャンのリギア(彩乃かなみ)と恋に落ち、ついにはネロと対立することになる。結局のところ、ローマ・カトリックの始まりまでを描いているのだが、なんという大作と圧倒された。宝田明がイエスの使徒ペテロ役で出演。コーラスの厚みがすごく、そこから彩乃かなみのソロが抜き出てくるところが見事だった。」

 

 

ノーベル文学賞を受賞したポーランドの作家シェンキェヴィッチ(1846-1916)の代表作「クオ・ヴァディス(何処へ行く)」を、全編歌で綴るポップ・オペラ形式のミュージカルに仕立て、そのスケール感の大きさが「ものすごい大作(小藤田千栄子氏評)」と驚嘆されたミュージカル「何処へ行く」。西暦60年代のローマ帝国を舞台に、暴君ネロの悪政に反旗を翻した軍団将校マルクス・ウィニキウスと王女リギア姫との恋愛、ペテロの布教とキリスト教徒の迫害、ローマの大火など波瀾万丈のストーリーを、現代的な音楽とスピーディーな演出で描きます。「ひめゆり」「アワード」など多くのミュージカルを創作して来たミュージカル座代表のハマナカトオルと、米国ロサンジェルスで音楽を学び、宝塚歌劇団などの音楽を手がける作曲家takがコンビを組んで、全編壮大なエネルギーに溢れた音楽を書き上げたオリジナル・ミュージカルです。

 

男女の恋愛を軸にしたストーリー、ローマ帝国とキリスト教の思想対決の構図、繁栄を極めた文明の未来など、作者ハマナカトオルが20年来構想をあたため、一番発表したいと思っていたミュージカルです。世界的な原作小説をもとに、名曲と名シーンに彩られたオリジナル・ミュージカルは、これまでの日本のオリジナル・ミュージカルのスケール感を遥かに超える壮大な作品となっています。さらに作品と演出を練り直し、新たなキャストを加えて2021年9月、シアター1010にて4度目の上演決定!!どうぞご期待ください!!

 

 

西暦60年代。暴君ネロの治世下でのローマ帝国は、ヨーロッパの大部分を支配していた。イエス・キリストの十字架刑から30年。使徒ペテロたちの伝道によって、キリスト教徒はひそかに信者の数を増やしていた。ローマ皇帝ネロは虚栄心の強い残虐な暴君で、自らの芸術的才能を自負することに熱中していた。ローマの軍団将校マルクス・ウィニキウスは、クリスチャンである美しい娘リギアを愛してしまう。ある日ネロの愚かな芸術的野心で、ペトロニウスの反対もむなしく、ローマの町は大火に包まれる。火事で家を失った民衆の怒りによる暴動を恐れたネロは、ローマの火事をキリスト教徒のせいにしてしまう。無実の信者たちは全員捕らえられ、リギアもまた投獄を免れなかった。ネロは信者の処刑を開始。リギアの身にも危険が迫っていた。ウィニキウスはリギアを救うため、命をかけて皇帝に反旗を翻す。そうした悲劇が巻き起こる中、ローマを去った使徒ペテロは、途上で主イエス・キリストに出会う。ひざまずき、「クオ・ヴァディス・ドミネ?(主よ、いずこへ行きたもう?)」と問いかけたペテロに、イエスは衝撃的な言葉で答えるのだった。「お前がローマに戻らなければ、私がローマに行き、もう一度十字架にかかろう。」

 


 

 

上演日程

2021年9月24日(金)~9月27日(月)

上演会場

THEATRE1010(シアター1010)
https://www.t1010.jp
北千住西口 マルイ11F  〒120-0034 東京都足立区千住3-92
TEL:03-5244-1010

 

上演スケジュール       

2021年

9/24

9/25

9/26

9/27

曜日

金曜

土曜

日曜

月曜

ヒル

 12:00

 12:00

 12:00

 12:00

ヨル

 18:00

 18:00

 

 

※新型コロナウイルス感染予防対策は、決定次第順次発表してまいります。
※新型コロナウイルス感染予防策に関しましては、ご来場前に必ず再度ご確認のうえ遵守くださいますようお願い致します。また、新型コロナウイルスの影響により、政府からの通達および劇場ガイドラインに沿って、開演時間などが変更になる場合がございます。ご観劇当日に、公式HPの内容を今一度ご確認いただいてからのご来場をお願い致します。


※開場は開演の30分前、受付開始は開演の45分前です。
※本公演は 組・ 組の一部ダブルキャストで上演致します。
※出演者ならびに出演スケジュールに変更がございました場合は、何卒悪しからずご了承ください。出演者変更の場合でも、払い戻しはいたしかねます。
※残席ある場合は、劇場受付にて当日券を開演45分前より販売いたします。ご観劇当日のご予約は承っておりません。当日券をご利用下さい。
※未就学児童のご入場はできません。
※車椅子でご来場されるお客様は、お席の指定などがございますので、ミュージカル座までご連絡をお願いいたします。

 

チケット料金
(全席指定/税込)

OEN席(プログラム付応援席)/15,000円
SS席/10,000円
S席/8,500円
A席/6,000円

 

一般前売り開始

8月6日(金)昼12時

 

チケットお取り扱い

・ミュージカル座
   048-825-7460
   オンラインチケット

 


 

キャスト

 

マルクス・ウィニキウス

遠山裕介

 

リギア 

リギア 

尾川詩帆

 

谷口あかり

 

ペトロニウス

ペテロ

津田英佑

 

麻田キョウヤ

 

ネロ

ポッパエア

大野朋来

 

星乃

 

アクテ

アクテ

エウニケ

藤澤知佳

 

山﨑和香

 

進士桃子

 

エウニケ

ウルスス

ティゲリヌス

刀根史夏

 

奈良坂潤紀

 

長谷川大祐

 

キロン

キロン

セネカ

大塚庸介

 

上田隆晴

 

高橋辰也

 

プラウティウス

ポンポニア

森田浩平

 

えまおゆう

 

ミリアム

ミリアム

アティア

アティア

美緒

 

野島優奈

 

畠山はなの

 

伏木結海

 

ルチア

ルチア

ナザリウス

ナザリウス

西村ゆり

 

三善玲奈

 

太田佳櫻里

 

光岡あかり

 

アウルス

アウルス

グラウコス

グラウコス

野口紗瑛子

 

黒坂麻結

 

柴田 塔

 

野間理孔

 

 

 

 
マルクス・ウィニキウス(主人公。ローマの軍団将校)
 
遠山裕介
 
遠山裕介
リギア(ローマの人質となったリギ族の王の娘) 尾川詩帆 谷口あかり
ペトロニウス(ローマ貴族。マルクスの叔父) 津田英佑 津田英佑
ペテロ(イエス・キリストの使徒) 麻田キョウヤ 麻田キョウヤ
ネロ(第五代ローマ皇帝) 大野朋来 大野朋来
ポッパエア(ローマ皇帝ネロの妃) 星乃 星乃
アクテ(昔ネロの寵愛を受けていた女解放奴隷) 藤澤知佳 山﨑和香
エウニケ(ペトロニウスを愛する女解放奴隷) 進士桃子 刀根史夏
ウルスス(リギ族の巨人。リギアの従者) 奈良坂潤紀 奈良坂潤紀
ティゲリヌス(ネロの親衛軍司令官) 長谷川大祐 長谷川大祐
キロン(せむしの予言者) 大塚庸介 上田隆晴
セネカ(ネロの教師。ストア派の哲学者) 高橋辰也 高橋辰也
 
プラウティウス(ローマの古将軍。リギアの庇護者)
 
森田浩平
 
森田浩平
ポンポニア(プラウティウスの妻。リギアの庇護者) えまおゆう えまおゆう
 
ミリアム(リギアを守るクリスチャンの女性)ほか
 
美緒
 
野島優奈
アティア(ミリアムの娘。クリスチャンの女性)ほか 畠山はなの 伏木結海
ルチア(ミリアムの娘。クリスチャンの女性)ほか 西村ゆり 三善玲奈
ナザリウス(ミリアムの息子。ペテロの同行者)ほか 太田佳櫻里 光岡あかり
アウルス(ポンポニアの息子)ほか 野口紗瑛子 黒坂麻結
グラウコス(クリスチャンの医者)ほか 柴田 塔 野間理孔
 
アンサンブル
 
旭 類
 
旭 類
アンサンブル 勝沼 優 勝沼 優
アンサンブル 内藤光佑 内藤光佑
アンサンブル 桑原 泰 桑原 泰
アンサンブル 大場啓博 大場啓博
アンサンブル 藤井寛之 藤井寛之
アンサンブル 川田真由美 川田真由美
アンサンブル 湯田 光 青山梨恋
アンサンブル 横田友菜 羽鳥来夏
アンサンブル 増富さつき 錦織夏子
アンサンブル 蓮見美羽 向島南海子
アンサンブル 辻 奈緒美 山本那奈
アンサンブル 山本桃子 津軽夏帆
アンサンブル 小柳夏海 草山美海
アンサンブル 田中優希 東條綾乃
アンサンブル 久保結唯 海老澤美保子
アンサンブル 楓子 小鹿原睦実
アンサンブル 山本あや 村上恵子
アンサンブル 小黒泉奈 小野有希
アンサンブル Amika 優美
アンサンブル 庄子花菜 江﨑七海
アンサンブル 佐野桃子 井野海咲
アンサンブル 宇都木芽生 佐々木 彩

 

 

スタッフ

原作/シェンキェヴィッチ作「クオ・ヴァディス」
脚本・作詞・オリジナル演出/ハマナカトオル  作曲・編曲・音楽監督/tak
演出・振付/梅沢明恵  美術/松野 潤  衣裳/藤澤知佳  衣裳協力/五大輝一 井上ゆかり
照明/鈴木 悟  音響/高橋秀雄  映像/JUNGO ツノダイチロウ
小道具/香本真梨奈 福田奈実  舞台監督/小谷 武  演出助手/福田奈実
音楽監督助手/西 利里子  歌唱指導/長谷川大祐  宣伝美術/シマクラヨウ
制作/小宮山雅美 古川愛梨  キャスティング/みづ乃奈央
プロデューサー/ハマナカトオル  企画・製作・主催/ミュージカル座

 


作家プロフィール


 

ハマナカトオル(脚本・作詞・オリジナル演出)

1958年東京生まれ。ミュージカル作家・演出家・プロデューサー。俳優、宝田明氏が主催する宝田芸術学園でミュージカルを学び、舞台俳優の活動を経て脚本・演出家として独立。数々の作品を発表した。1993年から専門学校舞台芸術学院ミュージカル部別科の主任講師として、19回の卒業公演を作・演出。多くの生徒を育てた。1995年、国産の新作ミュージカルの創造と普及を目的に「ミュージカル座」を創立。劇団代表・座付作家・演出家・プロデューサーとして、「ひめゆり」「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「ゴースト」「ロザリー」「ルルドの奇跡」「サイト」「アインシュタイン・フォーリーズ」「センス・オブ・ワンダー」「ブロードウェイ殺人事件」「ニューヨーカーズ」「スウィング・ボーイズ」「舞台に立ちたい」「三人の花嫁」「コンチェルト」「雪の女王」「不思議なラヴ・ストーリー」「赤ひげ」「わだつみのこえ」「何処へ行く」「マザー・テレサ 愛のうた」「チェアーズ」「スター誕生」「おでかけ姫」「月に歌えば」「ハートスートラ」「結婚行進曲」「タイムトラベラー」「二人でミュージカル」「アワード」「クリスマスに歌えば」「踊る!埼玉」等のオリジナル・ミュージカルや、「ママの恋人」「野の花」等のストレートプレイを発表。劇団外では、松竹「花いくさ」、黒木瞳「ママ・ラヴズ・マンボ」シリーズ、「今井清隆ファースト・コンサート」、「イル・ミュージカーレ」などを手がける。2018年には年間19本のミュージカルを製作。日本のミュージカルの成長と普及のために力を尽くしている。公益社団法人日本演劇協会会員。

 

tak(作曲・編曲・音楽監督)

1981年生まれ。奈良県出身。作曲・編曲家。2001 年ヤマハ音楽院・ベース科を卒業。2005年にアメリカ・ロサンジェルスにて音楽勉強をしながらメジャー・アーティストのサポートベーシストとして活動。日本に帰国後、作曲・編曲家として活動を始める。現在、舞台・テレビドラマ・ゲーム・webCM・ダンスショウケース、ファッションショー、バンドライブなど、1つのジャンルにこだわらず様々なエンターテイメントに作曲として関わる。2011年から、様々なジャンルの音楽製作を行うために、音楽製作チーム「SounDive Orch.」を立ち上げ活動中。主な作品として「メイちゃんの執事」(宝塚歌劇 星組)「魔笛」(天野喜孝×IPPEI)「殿といっしょ」(原作:大羽快)「BASARA」(原作:田村由美)「5jive」(D’OAM)「逆境ナイン」(原作:島本和彦)「忍者じゃじゃ丸君」(原作:大羽快)「魔界転生」(原作:山田風太郎)「戦国無双」「金色のコルダ」「NARUTO-ナルト-」「ヘタリア」等。ミュージカル座のハマナカトオルとコンビを組んで、ミュージカル「何処へ行く」「マザー・テレサ 愛のうた」「おでかけ姫」「踊る!埼玉」と、4作品のオリジナル・ミュージカルの作曲を手がけ、好評を博している。

 

梅沢明恵(演出・振付)

東京都出身。ミュージカル座所属。
幼少期よりダンスを学び、レコード大賞や紅白歌合戦などダンサーとして多くのイベントやTV番組に出演。舞台芸術学院ミュージカル部別科卒業後、ミュージカル座創立と同時に入団。数多くの作品で出演と同時に演出助手や振付助手としてカンパニーを引っ張ってきた。「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「舞台に立ちたい」「サイト」「アワード」「プロパガンダ・コクピット」などでは振付も担当。黒木瞳主演「ママ・ラヴズ・マンボ」シリーズ3作品では振付助手をつとめた。「何処へ行く」では初演から、出演すると共に振付助手・演出助手を務めてきた。2021年3月の「ひめゆり」(彩の国さいたま芸術劇場大ホールにて上演)より、演出を務める。

 


 

  我々は何処へ行くのか

 

                                                        脚本・作詞・演出・振付/ハマナカトオル

   ヘンリック・シェンキェヴィッチの小説「クオ・ヴァディス」をミュージカルにしてみたいと最初に考えたのは、もう20年以上も前のことです。主人公の男女の恋愛、暴君ネロによる原始キリスト教徒の迫害やローマの大火、闘技場での戦いなど、エンターテインメントの要素をぎっしり詰め込んだような波瀾万丈のストーリーで、いつか私もこんな華やかなミュージカルを創ってみたいと思っていました。しかし、あらためて原作を読み返しますと、強大な武力によって他国と民族を支配した、豊かなエネルギー大量消費型のローマ帝国と、愛と清貧の思想を掲げ、殺人を否定し贅沢を戒めた原始キリスト教の二つの価値観が、この小説の中に丁寧に描かれていることが胸に響きます。私たち日本人は、そして人類は、これから先、何処へ行く道を選ぶのだろうと、このミュージカルを創作しながら考える日々でした。震災と原発事故を経験した私たち日本人が、よりよい未来に進むため、今こそ道を間違ってはならないと考えるためのミュージカルにしたいと願っていました。

   創作を始める時から、この作品は全編歌で綴るミュージカルにしようと決めていました。全編歌のミュージカルは、日本のミュージカルとしては少数派ですが、私はそのミュージカルならではの醍醐味と面白さに魅了され、創作の虜になっている日本人の一人です。ストーリーと音楽が全てのシーンでひとつになって、交響曲のように全体で響き合う構成を考えることは、私の最高の楽しみでもあります。しかし、作曲家は通常のミュージカルの何倍もの曲を書かなければならない、過酷な仕事に付き合わされることになります。このミュージカルは42曲で構成されていますが、1曲ごとに、何度も書き直しをしていますので、1本のミュージカルが完成するまでには、途方もない労力を必要とします。今回、私に付き合って、このミュージカルを創作するきびしい冒険の旅に出てくれたのは、売れっ子ミュージカル作曲家・音楽監督の玉麻尚一さんから、「素晴らしい才能の男です」と紹介された若手音楽家のtakさんです。曲が出来上がるたびに、彼が本当に素晴らしいメロディーメイカーで編曲家であることが分かって、私の胸を躍らせました。ロサンジェルスで音楽の勉強をしていた方だけに、ハリウッドの映画音楽を思わせる奥行きのある世界観は、バック・ミュージックだけで場面の変化や登場人物の個性を表すに充分です。今までの私のミュージカルにはなかった、若く新しい感覚が、彼の音楽によって生み出されつつあることに新鮮な刺激と元気をもらいながら、曲づくりを行いました。

   台本=曲づくりに関して、私が特に大事にしたかったのは、美しいアリアを書くこと、洗練されたレチタティーヴォを書くこと、効果的なメロディーの繰り返しをストーリーの中に組み込むことでした。私が理想とするレチタティーヴォは、自然な会話として聞こえつつ、音楽的にも美しく、役の個性が表れているもの。メロディーの繰り返しにも、クリスチャンであることなど、その役の立場を表す意味が、きちんと含まれていることを理想として設計しました。尊敬するアンドリュー・ロイド=ウェバーやスティーヴン・ソンドハイムの名作を分析しながら、作曲家と共にミュージカルの美しい設計図を描いて行く作業は、困難な仕事だけに、挑戦しがいのある冒険です。この作品は、主人公のマルクス・ウィニキウスとリギアの愛をはじめ、複数の男女の愛、ローマへの愛、主イエス・キリストへの愛、人類への愛など、様々な愛の形が描かれます。takさんが作曲した美しく多彩なメロディーが、舞台全体に調和し、響き合い、愛のストーリーを描き出すよう、丁寧に創り上げたいと思っています。

   全体的な演出としては、音楽の舞台であるということを最重要視して、音楽の流れを損なわないように極力暗転を取らず、流れるようなストーリー展開で、音楽の繋ぎのまま、次の場面へ進んで行くこと。椅子やテーブルなどの置き道具も極力出さずに場面を描き、スピーディーで鮮やかな転換を心掛けることをコンセプトにしていました。結果的に、あちこちに段差が必要な舞台になりましたので、この世界の中で、より美しく芸術的な絵が描けるよう、一場面一場面を、こまかく創って行きたいと思っています。ローマという一つの街を描きますので、アンサンブルの動きと歌が、とても重要なミュージカルだと認識していました。そのため、譜面上でもステージングでも、アンサンブルの果たす役割は非常に大きく、この作品を支える重要なポイントとなっています。

   「何処へ行く~クオ・ヴァディス」は、日本人にも、小説や映画で知られたストーリーですが、セリフで語られる通常のお芝居とは違う、全編歌で綴られるミュージカルならではの舞台表現の魅力と感動を、お客様に体験して頂き、こうしたジャンルの舞台芸術を好きになっていただけたら、これに勝る喜びはありません。そして、日本人の手による新しいミュージカル創作活動のエネルギーが、一層活発な時代となって、優れた多彩な作品の創造に結びつきますよう、心を込めて製作致します。

 


公演のお問い合わせ

〒330-0061 埼玉県さいたま市浦和区常盤9-8-15 松本ビル
TEL:048-825-7460     FAX:048-825-7461
E-mail:m-za.info@musical-za.co.jp

 

 
はじめに
何処へ行く
大作ミュージカル『何処へ行く』2021年9月公演決定!!

ノーベル文学賞を受賞したポーランドの作家シェンキェヴィッチ(1846-1916)の代表作「クオ・ヴァディス(何処へ行く)」を、全編歌で綴るポップ・オペラ形式のミュージカルに仕立て、そのスケール感の大きさが「ものすごい大作(小藤田千栄子氏評)」と驚嘆されたミュージカル「何処へ行く」。西暦60年代のローマ帝国を舞台に、暴君ネロの悪政に反旗を翻した軍団将校マルクス・ウィニキウスと王女リギア姫との恋愛、ペテロの布教とキリスト教徒の迫害、ローマの大火など波瀾万丈のストーリーを、現代的な音楽とスピーディーな演出で描きます。「ひめゆり」「アワード」など多くのミュージカルを創作して来たミュージカル座代表のハマナカトオルと、米国ロサンジェルスで音楽を学び、宝塚歌劇団などの音楽を手がける作曲家takがコンビを組んで、全編壮大なエネルギーに溢れた音楽を書き上げたオリジナル・ミュージカルです。

構想20年!! 波乱万丈、壮大なスケールで描く歴史絵巻!!

男女の恋愛を軸にしたストーリー、ローマ帝国とキリスト教の思想対決の構図、繁栄を極めた文明の未来など、作者ハマナカトオルが20年来構想をあたため、一番発表したいと思っていたミュージカルです。世界的な原作小説をもとに、名曲と名シーンに彩られたオリジナル・ミュージカルは、これまでの日本のオリジナル・ミュージカルのスケール感を遥かに超える壮大な作品となっています。さらに作品と演出を練り直し、新たなキャストを加えて2021年9月、シアター1010にて4度目の上演決定!!どうぞご期待ください!!

ストーリー

西暦60年代。暴君ネロの治世下でのローマ帝国は、ヨーロッパの大部分を支配していた。イエス・キリストの十字架刑から30年。使徒ペテロたちの伝道によって、キリスト教徒はひそかに信者の数を増やしていた。ローマ皇帝ネロは虚栄心の強い残虐な暴君で、自らの芸術的才能を自負することに熱中していた。ローマの軍団将校マルクス・ウィニキウスは、クリスチャンである美しい娘リギアを愛してしまう。ある日ネロの愚かな芸術的野心で、ペトロニウスの反対もむなしく、ローマの町は大火に包まれる。火事で家を失った民衆の怒りによる暴動を恐れたネロは、ローマの火事をキリスト教徒のせいにしてしまう。無実の信者たちは全員捕らえられ、リギアもまた投獄を免れなかった。ネロは信者の処刑を開始。リギアの身にも危険が迫っていた。ウィニキウスはリギアを救うため、命をかけて皇帝に反旗を翻す。そうした悲劇が巻き起こる中、ローマを去った使徒ペテロは、途上で主イエス・キリストに出会う。ひざまずき、「クオ・ヴァディス・ドミネ?(主よ、いずこへ行きたもう?)」と問いかけたペテロに、イエスは衝撃的な言葉で答えるのだった。「お前がローマに戻らなければ、私がローマに行き、もう一度十字架にかかろう。」

スタッフ プロフィール紹介
ハマナカトオル(脚本・作詞・オリジナル演出)

1958年東京生まれ。ミュージカル作家・演出家・プロデューサー。俳優、宝田明氏が主催する宝田芸術学園でミュージカルを学び、舞台俳優の活動を経て脚本・演出家として独立。数々の作品を発表した。1993年から専門学校舞台芸術学院ミュージカル部別科の主任講師として、19回の卒業公演を作・演出。多くの生徒を育てた。1995年、国産の新作ミュージカルの創造と普及を目的に「ミュージカル座」を創立。劇団代表・座付作家・演出家・プロデューサーとして、「ひめゆり」「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「ゴースト」「ロザリー」「ルルドの奇跡」「サイト」「アインシュタイン・フォーリーズ」「センス・オブ・ワンダー」「ブロードウェイ殺人事件」「ニューヨーカーズ」「スウィング・ボーイズ」「舞台に立ちたい」「三人の花嫁」「コンチェルト」「雪の女王」「不思議なラヴ・ストーリー」「赤ひげ」「わだつみのこえ」「何処へ行く」「マザー・テレサ 愛のうた」「チェアーズ」「スター誕生」「おでかけ姫」「月に歌えば」「ハートスートラ」「結婚行進曲」「タイムトラベラー」「二人でミュージカル」「アワード」「クリスマスに歌えば」「踊る!埼玉」等のオリジナル・ミュージカルや、「ママの恋人」「野の花」等のストレートプレイを発表。劇団外では、松竹「花いくさ」、黒木瞳「ママ・ラヴズ・マンボ」シリーズ、「今井清隆ファースト・コンサート」、「イル・ミュージカーレ」などを手がける。2018年には年間19本のミュージカルを製作。日本のミュージカルの成長と普及のために力を尽くしている。公益社団法人日本演劇協会会員。

tak(作曲・編曲・音楽監督)

1981年生まれ。奈良県出身。作曲・編曲家。2001 年ヤマハ音楽院・ベース科を卒業。2005年にアメリカ・ロサンジェルスにて音楽勉強をしながらメジャー・アーティストのサポートベーシストとして活動。日本に帰国後、作曲・編曲家として活動を始める。現在、舞台・テレビドラマ・ゲーム・webCM・ダンスショウケース、ファッションショー、バンドライブなど、1つのジャンルにこだわらず様々なエンターテイメントに作曲として関わる。2011年から、様々なジャンルの音楽製作を行うために、音楽製作チーム「SounDive Orch.」を立ち上げ活動中。主な作品として「メイちゃんの執事」(宝塚歌劇 星組)「魔笛」(天野喜孝×IPPEI)「殿といっしょ」(原作:大羽快)「BASARA」(原作:田村由美)「5jive」(D’OAM)「逆境ナイン」(原作:島本和彦)「忍者じゃじゃ丸君」(原作:大羽快)「魔界転生」(原作:山田風太郎)「戦国無双」「金色のコルダ」「NARUTO-ナルト-」「ヘタリア」等。ミュージカル座のハマナカトオルとコンビを組んで、ミュージカル「何処へ行く」「マザー・テレサ 愛のうた」「おでかけ姫」「踊る!埼玉」と、4作品のオリジナル・ミュージカルの作曲を手がけ、好評を博している。

梅沢明恵(演出・振付)

東京都出身。ミュージカル座所属。
幼少期よりダンスを学び、レコード大賞や紅白歌合戦などダンサーとして多くのイベントやTV番組に出演。舞台芸術学院ミュージカル部別科卒業後、ミュージカル座創立と同時に入団。数多くの作品で出演と同時に演出助手や振付助手としてカンパニーを引っ張ってきた。「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「舞台に立ちたい」「サイト」「アワード」「プロパガンダ・コクピット」などでは振付も担当。黒木瞳主演「ママ・ラヴズ・マンボ」シリーズ3作品では振付助手をつとめた。「何処へ行く」では初演から、出演すると共に振付助手・演出助手を務めてきた。2021年3月の「ひめゆり」(彩の国さいたま芸術劇場大ホールにて上演)より、演出を務める。

キャスト
  • マルクス・ウィニキウス

    遠山裕介
  • リギア

    尾川詩帆
  • リギア

    谷口あかり
  • ペトロニウス

    津田英佑
  • ペテロ

    麻田キョウヤ
  • ネロ

    大野朋来
  • ポッパエア

    星乃
  • アクテ


    藤澤知佳
  • アクテ


    山﨑和香
  • エウニケ


    進士桃子
  • エウニケ


    刀根史夏
  • ウルスス


    奈良坂潤紀
  • ティゲリヌス


    長谷川大祐
  • キロン


    大塚庸介
  • キロン


    上田隆晴
  • セネカ


    高橋辰也
  • プラウティウス

    森田浩平
  • ポンポニア

    えまおゆう
  • ミリアム

    美緒
  • ミリアム

    野島優奈
  • アティア

    畠山はなの
  • アティア

    伏木結海
  • ルチア

    西村ゆり
  • ルチア

    三善玲奈
  • ナザリウス

    太田佳櫻里
  • ナザリウス

    光岡あかり
  • アウルス

    野口紗瑛子
  • アウルス

    黒坂麻結
  • グラウコス

    柴田 塔
  • グラウコス

    野間理孔
キャスト・役柄
遠山裕介
マルクス・ウィニキウス
(主人公。ローマの軍団将校)
尾川詩帆・谷口あかり
リギア
(ローマの人質となったリギ族の王の娘)
津田英佑
ペトロニウス
(ローマ貴族。マルクスの叔父)
麻田キョウヤ
ペテロ
(イエス・キリストの使徒)
大野朋来
ネロ
(第五代ローマ皇帝)
星乃
ポッパエア
(ローマ皇帝ネロの妃)
藤澤知佳・山﨑和香
アクテ
(昔ネロの寵愛を受けていた女解放奴隷)
進士桃子・刀根史夏
エウニケ
(ペトロニウスを愛する女解放奴隷)
奈良坂潤紀
ウルスス
(リギ族の巨人。リギアの従者)
長谷川大祐
ティゲリヌス
(ネロの親衛軍司令官)
大塚庸介・上田隆晴
キロン
(せむしの予言者)
高橋辰也
セネカ
(ネロの教師。ストア派の哲学者)
森田浩平
プラウティウス
(ローマの古将軍。リギアの庇護者)
えまおゆう
ポンポニア
(プラウティウスの妻。リギアの庇護者)
美緒・野島優奈
ミリアム
(リギアを守るクリスチャンの女性)ほか
畠山はなの・伏木結海
アティア
(ミリアムの娘。クリスチャンの女性)ほか
西村ゆり・三善玲奈
ルチア
(ミリアムの娘。クリスチャンの女性)ほか
太田佳櫻里・光岡あかり
ナザリウス
(ミリアムの息子。ペテロの同行者)ほか
野口紗瑛子・黒坂麻結
アウルス
(ポンポニアの息子)ほか
柴田 塔・野間理孔
グラウコス
(クリスチャンの医者)ほか
旭 類
アンサンブル
勝沼 優
アンサンブル
内藤光佑
アンサンブル
桑原 泰
アンサンブル
大場啓博
アンサンブル
藤井寛之
アンサンブル
川田真由美
アンサンブル
湯田 光・青山梨恋
アンサンブル
横田友菜・羽鳥来夏
アンサンブル
増富さつき・錦織夏子
アンサンブル
蓮見美羽・向島南海子
アンサンブル
辻 奈緒美・山本那奈
アンサンブル
山本桃子・津軽夏帆
アンサンブル
小柳夏海・草山美海
アンサンブル
田中優希・東條綾乃
アンサンブル
久保結唯・海老澤美保子
アンサンブル
楓子・小鹿原睦実
アンサンブル
山本あや・村上恵子
アンサンブル
小黒泉奈・小野有希
アンサンブル
Amika・優美
アンサンブル
庄子花菜・江﨑七海
アンサンブル
佐野桃子・井野海咲
アンサンブル
宇都木芽生・佐々木 彩
アンサンブル
公演情報
何処へ行く
公演期間

2021年09月24日(金) ~ 09月27日(月)

公演会場
THEATRE1010(シアター1010)
〠 120-0034
東京都足立区千住3-92

☞ 北千住駅西口 マルイ11F

☎ 03-5244-1010

公演会場 Webサイト

公演スケジュール
  ヒル ヨル
9/24(金) 12:00 18:00
9/25(土) 12:00 18:00
9/26(日) 12:00  
9/27(月) 12:00  
  • 新型コロナウイルス感染予防対策は、決定次第順次発表してまいります。※新型コロナウイルス感染予防対策に関しましては、ご来場前に必ず再度ご確認のうえ遵守くださいますようお願い致します。また、新型コロナウイルスの影響により、政府からの通達および劇場ガイドラインに沿って、開演時間などが変更になる場合がございます。ご観劇当日に、公式HPの内容を今一度ご確認いただいてからのご来場をお願い致します。


    ※開場は開演の30分前、受付開始は開演の45分前です。※本公演は 組・ 組の一部ダブルキャストで上演致します。※出演者ならびに出演スケジュールに変更がありました場合は、何卒悪しからずご了承下さい。出演者変更の場合でも、払い戻しはいたしかねます。※残席ある場合は、劇場受付にて当日券を開演45分前より販売いたします。ご観劇当日のご予約は承っておりません。当日券をご利用下さい。※未就学児童のご入場はできません。※車椅子でご来場されるお客様は、お席の指定などがございますので、ミュージカル座までご連絡をお願いいたします。

チケット料金 (全席指定/税込)
  • OEN席(プログラム付応援席) 15,000円
  • SS席 10,000円
  • S席 8,500円
  • A席 6,000円
チケット取扱い
【チケット発売】
2021年08月06日(金) 昼12時
ミュージカル座
☎048-825-7460
スタッフ
シェンキェヴィッチ作「クオ・ヴァディス」
【原作】
ハマナカトオル
【脚本・作詞・オリジナル演出】
tak
【作曲・編曲・音楽監督】
梅沢明恵
【演出・振付】
松野 潤
【美術】
藤澤知佳
【衣裳】
五大輝一 井上ゆかり
【衣裳協力】
鈴木 悟
【照明】
高橋秀雄
【音響】
JUNGO ツノダイチロウ
【映像】
香本真梨奈 福田奈実
【小道具】
小谷 武
【舞台監督】
福田奈実
【演出助手】
西 利里子
【音楽監督助手】
長谷川大祐
【歌唱指導】
シマクラヨウ
【宣伝美術】
小宮山雅美 古川愛梨
【制作】
みづ乃奈央
【キャスティング】
ハマナカトオル
【プロデューサー】
ミュージカル座
【企画・製作・主催】
コメント

我々は何処へ行くのか

ハマナカトオル 【脚本・作詞・演出・振付】

   ヘンリック・シェンキェヴィッチの小説「クオ・ヴァディス」をミュージカルにしてみたいと最初に考えたのは、もう20年以上も前のことです。主人公の男女の恋愛、暴君ネロによる原始キリスト教徒の迫害やローマの大火、闘技場での戦いなど、エンターテインメントの要素をぎっしり詰め込んだような波瀾万丈のストーリーで、いつか私もこんな華やかなミュージカルを創ってみたいと思っていました。しかし、あらためて原作を読み返しますと、強大な武力によって他国と民族を支配した、豊かなエネルギー大量消費型のローマ帝国と、愛と清貧の思想を掲げ、殺人を否定し贅沢を戒めた原始キリスト教の二つの価値観が、この小説の中に丁寧に描かれていることが胸に響きます。私たち日本人は、そして人類は、これから先、何処へ行く道を選ぶのだろうと、このミュージカルを創作しながら考える日々でした。震災と原発事故を経験した私たち日本人が、よりよい未来に進むため、今こそ道を間違ってはならないと考えるためのミュージカルにしたいと願っていました。

   創作を始める時から、この作品は全編歌で綴るミュージカルにしようと決めていました。全編歌のミュージカルは、日本のミュージカルとしては少数派ですが、私はそのミュージカルならではの醍醐味と面白さに魅了され、創作の虜になっている日本人の一人です。ストーリーと音楽が全てのシーンでひとつになって、交響曲のように全体で響き合う構成を考えることは、私の最高の楽しみでもあります。しかし、作曲家は通常のミュージカルの何倍もの曲を書かなければならない、過酷な仕事に付き合わされることになります。このミュージカルは42曲で構成されていますが、1曲ごとに、何度も書き直しをしていますので、1本のミュージカルが完成するまでには、途方もない労力を必要とします。今回、私に付き合って、このミュージカルを創作するきびしい冒険の旅に出てくれたのは、売れっ子ミュージカル作曲家・音楽監督の玉麻尚一さんから、「素晴らしい才能の男です」と紹介された若手音楽家のtakさんです。曲が出来上がるたびに、彼が本当に素晴らしいメロディーメイカーで編曲家であることが分かって、私の胸を躍らせました。ロサンジェルスで音楽の勉強をしていた方だけに、ハリウッドの映画音楽を思わせる奥行きのある世界観は、バック・ミュージックだけで場面の変化や登場人物の個性を表すに充分です。今までの私のミュージカルにはなかった、若く新しい感覚が、彼の音楽によって生み出されつつあることに新鮮な刺激と元気をもらいながら、曲づくりを行いました。

   台本=曲づくりに関して、私が特に大事にしたかったのは、美しいアリアを書くこと、洗練されたレチタティーヴォを書くこと、効果的なメロディーの繰り返しをストーリーの中に組み込むことでした。私が理想とするレチタティーヴォは、自然な会話として聞こえつつ、音楽的にも美しく、役の個性が表れているもの。メロディーの繰り返しにも、クリスチャンであることなど、その役の立場を表す意味が、きちんと含まれていることを理想として設計しました。尊敬するアンドリュー・ロイド=ウェバーやスティーヴン・ソンドハイムの名作を分析しながら、作曲家と共にミュージカルの美しい設計図を描いて行く作業は、困難な仕事だけに、挑戦しがいのある冒険です。この作品は、主人公のマルクス・ウィニキウスとリギアの愛をはじめ、複数の男女の愛、ローマへの愛、主イエス・キリストへの愛、人類への愛など、様々な愛の形が描かれます。takさんが作曲した美しく多彩なメロディーが、舞台全体に調和し、響き合い、愛のストーリーを描き出すよう、丁寧に創り上げたいと思っています。

   全体的な演出としては、音楽の舞台であるということを最重要視して、音楽の流れを損なわないように極力暗転を取らず、流れるようなストーリー展開で、音楽の繋ぎのまま、次の場面へ進んで行くこと。椅子やテーブルなどの置き道具も極力出さずに場面を描き、スピーディーで鮮やかな転換を心掛けることをコンセプトにしていました。結果的に、あちこちに段差が必要な舞台になりましたので、この世界の中で、より美しく芸術的な絵が描けるよう、一場面一場面を、こまかく創って行きたいと思っています。ローマという一つの街を描きますので、アンサンブルの動きと歌が、とても重要なミュージカルだと認識していました。そのため、譜面上でもステージングでも、アンサンブルの果たす役割は非常に大きく、この作品を支える重要なポイントとなっています。

   「何処へ行く~クオ・ヴァディス」は、日本人にも、小説や映画で知られたストーリーですが、セリフで語られる通常のお芝居とは違う、全編歌で綴られるミュージカルならではの舞台表現の魅力と感動を、お客様に体験して頂き、こうしたジャンルの舞台芸術を好きになっていただけたら、これに勝る喜びはありません。そして、日本人の手による新しいミュージカル創作活動のエネルギーが、一層活発な時代となって、優れた多彩な作品の創造に結びつきますよう、心を込めて製作致します。

ものすごい大作。音楽の迫力に押されっぱなしだった。

小藤田千栄子氏評 【映画・演劇評論家「ミュージカル」誌】

ミュージカル座の新作で、ものすごい大作だった。 休憩を入れて2時間50分。ほとんど歌で綴るミュージカルで、パンフレットには、第一幕=25曲/第二幕=18曲と記されている。全部で43曲。すごい。 脚本・作詞・演出=ハマナカトオル、作曲・編曲=tak。 この話は、私などは、まず往年のハリウッド映画「クォ・ヴァディス」(1952)を思い浮かべてしまう。ロバート・テイラーとデボラ・カーだったなんて思い出したりもするのだが、このミュージカル版は、音楽の迫力に押されっぱなしだった。 西暦64年のローマ。第5代皇帝ネロの時代。軍人マルクス(松原剛志)は、クリスチャンのリギア(彩乃かなみ)と恋に落ち、ついにはネロと対立することになる。結局のところ、ローマ・カトリックの始まりまでを描いているのだが、なんという大作と圧倒された。 宝田明がイエスの使徒ペテロ役で出演。コーラスの厚みがすごく、そこから彩乃かなみのソロが抜き出てくるところが見事だった。

 

公演のお問い合わせ

ミュージカル座

〠 330-0061
埼玉県さいたま市浦和区常盤9-8-15 松本ビル

TEL:048-825-7460
FAX:048-825-7461

E-mail:m-za.info@musical-za.co.jp

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