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「ひめゆり」台本には書かれていない膨大なドラマ

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ひめゆり
Category: ひめゆり | 2015.05.29
「ひめゆり」台本には書かれていない膨大なドラマ

みさ役の柑奈めいさん。OSK日本歌劇団出身。歌唱力に優れ、入団2年目でエトワールをつとめた人です。最近は、ブロードウェイ・ミュージカル「アイランド~かつてこの島で~」アンドレア役が記憶に新しいところ。「ひめゆり」には3度目の出演となります。

柑奈めい
「今回、ひめゆり学徒の中でも、生き残るメンバーになったことで、この作品に対する勉強の仕方が変わりました。前回までのあき役は、ガス弾で死ぬ役だったので、学徒たちの果たせなかった夢などを想像して、役づくりを行いました。今回は生き残った方々の本や資料を多く読んで、学んでいます。最近、沖縄の伊江島の方とお話しする機会があって、伊江島の方は、沖縄戦では、兵士の方が一人生き残っただけで、他の方は、皆さん自決したか米軍にやられたということを聞きました。今、伊江島に住んでいる方は、その時、本土などに逃げていた方たちだけだと伺って、沖縄戦の凄まじさを改めて知りました。みさ役は、最後に生き残って捕虜になるので、捕虜になった方たちのことも、もっと調べたいなと思っています。この節目の年だからこそ、日本にあったことを多くの人たちに伝えられたらなって思います。」


ミュージカル「アニ-」アニー役、「ライオンキング」ヤングナラ役等、子役時代から活躍してきた内田莉紗さん。「キングダムハーツ」カイリ役の声や、サンリオピューロランド「星と花の伝説」フローラ役などに出演。「ひめゆり」は初参加で、ちよ役を演じます。

内田莉紗
「今回、初めてミュージカル座の作品に出演させていただきます。稽古場は歌がじょうずな方ばかりで、緊張していたんですけど、温かい優しい方ばかりで、感謝の気持ちと共に、皆様について行けるように一生懸命頑張らなければと思っております。私の父が、沖縄の楽器三線(さんしん)を習っておりまして、沖縄の歴史や文化などには、これまでも興味がありました。今回出演するにあたって、より深く勉強して行きたいと思っております。憲法改正や基地問題、ひめゆりの語り部の会が終了してしまったりと、沖縄戦の記憶が薄れつつある今だからこそ、是非この作品を観ていただきたいと思います。まだまだ勉強不足の私ですが、全身全霊で、舞台上でちよとして生き抜きたいと思います。」


あき役を演じる小林夏実さん。子役時代から、ミュージカル「森は生きている」「アニー」などに出演。音楽大学ミュージカルコースを卒業後、「ひめゆり」が初の舞台となります。

小林夏実
「「ひめゆり」を初めて観たのは、本田美奈子.さんがキミをやられていた時で、私はまだ小学生だったのですが、幼心に凄く衝撃を受け、感動したことを覚えています。その頃からミュージカルを目指していたので、大人になった時に、この作品に出演して、自分が受けた衝撃や戦争について知らなかったことを、現代の方に伝えたいと、ずっと思っていました。最初の顔合わせの日から、いいカンパニーだなと感じていました。過去に出演なさっている方も多いので、これまで積み重ねて来たものを伝えていただき、戦後70年の2015年版「ひめゆり」をつくって行きたいと思います。「ひめゆり」を通して、命の尊さ、平和の大切さを感じていきただきたいです。精一杯、私たちも闘います!!」


杉原上等兵役の麻田キョウヤさん。Avexよりメジャーデビューし、2007年「レ・ミゼラブル」でミュージカル初舞台。その後、「ミス・サイゴン」「ファントム」「ダンス・オブ・ヴァンパイア」「デスノート The Musical」「カムイレラ」など多くの作品に出演。「ひめゆり」にも連続出演を続けています。

麻田キョウヤ
「「ひめゆり」は、もう何回目か分からないんですけど(笑)、久々に、杉原上等兵をやらせていただきます。最近はずっと先生役だったので、まさかの杉原だったのですけど、新鮮に臨めそうだなって感じがしています。杉原は、ステージング的には動けないので地味ではありますが。その分、表情だったり居方で表現しなければいけないので、これまで培って来たものを出せたらいいかなと思っています。DVDになっている「ひめゆり」では、この役を演じていますが、僕的には、まだまだだなあと当時思っていたので、さらにいいものをお見せ出来るよう、頑張ります。今年は、一段と若さを感じるカンパニーです。この作品は、若いみんなが、とにかく懸命にやる姿が、内容とリンクする作品だと思いますので、また、一層熱い「ひめゆり」をお届け出来る予感がしています。どうぞご期待ください。」


陸軍病院の稽古 陸軍病院の稽古
歓喜の踊り 飯上げの樽を抱えて

ステージングは、南風原陸軍病院の場面に進みました。多くの登場人物の芝居と動きを、一人ずつ付けて行くので、多くの時間が費やされます。一人一人のドラマが細かくなるほど、場面のリアリティが深まるので、手抜きは許されません。台本には書かれていない膨大なドラマが、稽古場で作られて行きます。

Category: ひめゆり | 2015.05.29

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