脚本・作詞/ハマナカトオル 作曲・編曲・音楽監督・演奏/久田菜美 演出・振付/梅沢明恵
2022年10月12日(水)~15日(土)
※「 新型コロナウイルス感染拡大予防について 」をご一読ください。
このミュージカルは、あなたの宝石となる。 ミュージカル「ハートスートラ」は、世界で最も有名なお経である「般若心経」を題材にしたミュージカルです。ミュージカル作家ハマナカトオルが頭に描き続けた、アジア発のミュージカルの形。日本人はもちろん、海外の人にも見せたい東洋のミュージカルの答え。これまで「ひめゆり」「ブロードウェイ殺人事件」など数多くのミュージカルの創作を続けて来たミュージカル座代表のハマナカトオルと、ハマナカとコンビを組んで「スター誕生」「アワード」などミュージカルの作曲を手がけた若き音楽家、久田菜美が創作した独創的な『まさにアジアのミュージカル! 』です。2 0 1 7 年4 月の初演から5 年、新たな神秘の幕が上がります。このミュージカルは、あなたの宝石となる。どうぞご期待ください! !
ストーリー 「般若心経」は、1 ,5 0 0 年の昔から、日本人に最も愛されてきたお経で、英語で「ハートスートラ He a r t S u t r a (心のお経=心経)」と言い、世界中で翻訳され、広く親しまれています。ジョン・レノンやスティーブ・ジョブズにも大きな影響を与えたと言われ、ジョン・レノンの世界的ヒット曲「イマジン」は、「般若心経」の「無=N o 」の教えが含まれていると言われています。「般若心経」の般若とは、智慧のことです。あらゆる悩みから解き放たれる仏教の心髄と言える最高の智慧が、わずか2 6 2 文字の「般若心経」のなかに含まれています。西洋の人も心酔する、この奥深い東洋の智慧には、いったいどのような教えが書かれているのでしょうか。ミュージカル「ハートスートラ」は、ミュージカルという舞台芸術の魅力のすべてを使って、「般若心経」を分かりやすく紐解き、皆様に知っていただくと同時に、心と身体で感じていただく作品です。東洋的な思想・哲学・美術・音楽・舞踊の要素を詰め込んだ『アジアのミュージカル』を、どうぞお楽しみに!
出 演
【 組キャスト】 中村ひかり 伊藤俊彦 光枝明彦 高野絹也 奈良坂潤紀 高橋辰也 小宮山稜介 上吉川悠聖 髙橋昭広 浦壁多恵 藤澤知佳 川田真由美 落 理菜子 奥沢奈央 藤田沙知 優美 小島優花 野島優奈 星来 大西美緒 Amika 菖蒲菜月 石田優月 琴理 七海 悠 副島花香 土田ななみ 美波南海子 鈴木 恵 太田有美佳 佐藤由梨
【 組キャスト】 進士桃子 伊藤俊彦 光枝明彦 高野絹也 奈良坂潤紀 高橋辰也 小宮山稜介 上吉川悠聖 畑中義輝 浦壁多恵 山岸麻美子 川田真由美 勝部祐子 吉良茉由子 石井仁美 田辺椰紗 鶴田香耶 菅田紗子 饗庭小百合 平田里美 井上寧子 井野海咲 村上結香 渋谷彩来 七海 悠 松尾璃空 緑川絵理奈 美波南海子 海老澤美保子 太田有美佳 佐藤由梨
新体操(五蘊) 色:東川歩未(10/13・14・15) 色:NANA(10/12) 受:ゆず葉 想:矢作芽依 行:AIMI 識:宮城こころ
演奏 Keyboard:久田菜美・ハナブサユウキ Reed:山本茉莉奈
スタッフ 脚本・作詞/ハマナカトオル 作曲・編曲・音楽監督・演奏/久田菜美 演出・振付/梅沢明恵
上演スケジュール 上演時間:約2時間30分(一幕1時間10分・休憩15分・二幕1時間05分:予定)
※「 新型コロナウイルス感染拡大予防について 」をご一読ください。 ※受付開始および開場は、開演の30分前です。 ※新型コロナウイルス感染予防対策は、決定次第順次発表してまいります。 ※政府からの通達及び劇場ガイドラインに沿って、収容定員までの配席・販売とさせていただきます。
過去の舞台写真より
ブロードウェイで考えた「アジアのミュージカル」 脚本・作詞/ハマナカトオル
ニューヨーク、ブロードウェイの街角にたたずみ、多くのミュージカルの看板を見上げながら考えることは、この街で日本人が創作した「アジアのミュージカル」が成功するとしたら、どんな作品だろう、ということです。約20年間、私の頭の中には、ひとつの題材があり、それを越える題材は浮かびませんでした。それが、日本で世界で最も愛されているお経「般若心経」でした。「えっ!? お経をミュージカルに!?」と、意外に思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、長年ミュージカルに携わっている私からしてみると、決して意外ではないのです。たとえば、ミュージカル「キャッツ」は、T・S・エリオットの詩が原作です。色々な猫の思想や哲学が散りばめられた詩の束が、ミュージカルになりました。「お経」も、色々な仏教の思想や哲学が散りばめられた、詩によく似たものだと、私には思えます。しかもお経は、リズムに合わせて声に出して読誦するものですから、歌とも、とても近いものと感じていました。でも、その内容に関しては、私たちアジア人でも、よく知らない人が多いと思います。お経なんて法事で聞くくらいですから、どうしてもお葬式のイメージと一緒になってしまいます。ミュージカル座の劇団員に「お経をミュージカルにしようと思うんだ」と話すと、「えっ!こわーい!」と言われたことがあります。でも、内容をよく知ると、お葬式とは関係ないもので、むしろ生きるために必要な、知っておいた方がいい智慧が書かれているのです。 「般若心経」が言っていることの中心は、なんと言っても「空」と「無」のオン・パレードでしょう。この世の中のすべて、そして自分さえも、空である、無であると繰り返し言っています。「自分という存在は、五蘊という五つの要素の集まりであって、自分という確固たる存在はない」と言うのは釈迦の教えですが、大乗仏教の経典である「般若心経」では、その五蘊さえも「空」であると説きます。この世の中にある決まり事や大前提を、すべて「ない」とリセットすること、今の言葉で言うと「初期化」することが、「般若心経」というお経の中心思想です。仏教発祥の地インドには、仏教が生まれる以前からカースト制度が存在していました。生まれたその瞬間から自分の階級が決められていて、どんなに努力しても、その身分から一生逃れることは出来ません。これは人間にとって苦しい大前提です。世の中の決まり事を、一度リセットしたい、という気持ちは当然だったでしょう。今の日本は、当時のインドよりはよほど自由ですが、それでも、学校や会社、家族、社会、国家、資本主義など、個人を取り巻く決まりにがんじがらめになって、窮屈な気持ちになっている人は多いでしょう。なかには、逃れられず、自殺する人さえいます。心が苦しくなった時、「般若心経」の教えは、心を楽にしてくれる効果があると思います。 西洋の宗教は、科学が発達するたびに衝突を起こして来ました。科学との相性がすこぶる悪いのです。そして、一部の原理主義者の主張を除き、宗教はいつでも「科学的には」間違っていました。ところが、「般若心経」をはじめとする大乗仏教の経典は、不思議なことに最新の科学とも相性がいいのです。「物質は空である」とか「自我などない」と言った、普通に考えればびっくりするような理論が、現代の最新の量子力学や宇宙論が描き出す世界観、あるいはユング心理学が提出する集合的無意識などの一元論的考えと折り合います。これは、遥かいにしえにこの教典を書いた人々(恐らく紀元1~2世紀頃と言われていて、釈迦ではありません)が宇宙の真理に近づいていたのか、あるいは、たまたまそうなっただけなのか、私には分かりませんが、少なくとも、量子力学など全く知らなかった親鸞や空海の時代の人よりも、最新の科学について知識のある現代人の方が、大乗仏教、そして「般若心経」を別角度からも照射して思索できる、面白い時代になったのではないかと思います。これも、私がこの題材を欧米で上演したいと望む理由です。つまり、仏教の方が「今に通じる」でしょうということです。 私はこれまでに、釈迦(ブッダ)を描いた映画や舞台をいくつか観て来ましたが、共通した感想は、仏教が人々に何を教えたのかが、見終わった後に頭に残らない、ということでした。なぜだろうと考え、その理由の一端は分かったのですが、私はこのミュージカルでは、仏教と「般若心経」の教えのうち、いくつか代表的なものが、観劇されたお客様の記憶に残るような作品にしたいと願い、創作しました。日本は「仏教国」と言われながら、自らの意思で仏教を学ぼうとする人は少なく、その教えを知っている人も少ないように思われます。しかし、釈迦の時代から2,500年も伝えられ、多くの人々によって受け継がれてきた「東洋の智慧」を、ひとつの言葉でいいから持ち帰っていただきたい。この作品は、そういうミュージカルであるだけでいいと思っていました。 「お経のミュージカル」なんて、ミュージカル座は、なんて変なミュージカルを創るんだと、ミュージカル・ファンや関係者の声が聞こえてきそうです。でも、私は、日本人、アジア人なら当然の発想だと思っているのです。むしろ、今まで誰もミュージカルにしたいと思わなかったので、こんな宝石のような素敵な題材が手をつけられず残っていたことを、神様、じゃなかった、仏様に感謝したいほどです。最後に、私が「般若心経」に惹かれた理由は、ひょっとすると「舞台をやっているから」かもしれません。舞台は、瞬間に輝き、毎日変化して、消えてなくなり、後に何も残さない芸術です。そして、宇宙の本質へと繋がっています。舞台人は、「空」を理解しやすい人々ではないかと思う今日この頃です。
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〒330-0061 埼玉県さいたま市浦和区常盤9-8-15 松本ビル
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ミュージカル「ハートスートラ」は、世界で最も有名なお経である「般若心経」を題材にしたミュージカルです。ミュージカル作家ハマナカトオルが頭に描き続けた、アジア発のミュージカルの形。日本人はもちろん、海外の人にも見せたい東洋のミュージカルの答え。これまで「ひめゆり」「ブロードウェイ殺人事件」など数多くのミュージカルの創作を続けて来たミュージカル座代表のハマナカトオルと、ハマナカとコンビを組んで「スター誕生」「アワード」などミュージカルの作曲を手がけた若き音楽家、久田菜美が創作した独創的な『まさにアジアのミュージカル! 』です。2 0 1 7 年4 月の初演から5 年、新たな神秘の幕が上がります。このミュージカルは、あなたの宝石となる。どうぞご期待ください! !
「般若心経」は、1,500年の昔から、日本人に最も愛されてきたお経で、英語で「ハートスートラ Heart Sutra(心のお経=心経)」と言い、世界中で翻訳され、広く親しまれています。ジョン・レノンやスティーブ・ジョブズにも大きな影響を与えたと言われ、ジョン・レノンの世界的ヒット曲「イマジン」は、「般若心経」の「無=No」の教えが含まれていると言われています。「般若心経」の般若とは、智慧のことです。あらゆる悩みから解き放たれる仏教の心髄と言える最高の智慧が、わずか262文字の「般若心経」のなかに含まれています。西洋の人も心酔する、この奥深い東洋の智慧には、いったいどのような教えが書かれているのでしょうか。ミュージカル「ハートスートラ」は、ミュージカルという舞台芸術の魅力のすべてを使って、「般若心経」を分かりやすく紐解き、皆様に知っていただくと同時に、心と身体で感じていただく作品です。東洋的な思想・哲学・美術・音楽・舞踊の要素を詰め込んだ『アジアのミュージカル』を、どうぞお楽しみに!
1958年東京生まれ。ミュージカル作家・演出家・プロデューサー。俳優宝田明氏が主催する宝田芸術学園でミュージカルを学び、舞台俳優の活動を経て脚本・演出家として独立。数々の作品を発表した。1993年から専門学校舞台芸術学院ミュージカル部別科の主任講師として、19回の卒業公演を作・演出。多くの生徒を育てた。1995年、国産の新作ミュージカルの創造と普及を目的に「ミュージカル座」を創立。劇団代表・座付作家・演出家・プロデューサーとして、「ひめゆり」「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「ゴースト」「ロザリー」「ルルドの奇跡」「サイト」「アインシュタイン・フォーリーズ」「センス・オブ・ワンダー」「ブロードウェイ殺人事件」「ニューヨーカーズ」「スウィングボーイズ」「舞台に立ちたい」「コンチェルト」「雪の女王」「不思議なラヴ・ストーリー」「赤ひげ」「わだつみのこえ」「何処へ行く」「マザー・テレサ 愛のうた」「チェアーズ」「スター誕生」「おでかけ姫」「月に歌えば」「ハートスートラ」「結婚行進曲」「タイムトラベラー」「二人でミュージカル」「アワード」「クリスマスに歌えば」「踊る! 埼玉」「ボードビル」「ファミリア! 」「スター誕生2 」等のオリジナル・ミュージカルや、「ママの恋人」「野の花」等のストレートプレイを発表。劇団外では、松竹「花いくさ」、黒木瞳「ママ・ラヴズ・マンボ」シリーズ、「今井清隆ファースト・コンサート」、「イル・ミュージカーレ」などを手がけ、日本のミュージカルの普及と発展のために力を尽くしている。公益社団法人日本演劇協会会員。2021年11月に「ハマナカトオル作品集」HP を開設した。
東京都出身。東京音楽大学作曲・指揮専攻(芸術音楽コース)卒業。これまでに作曲を池辺晋一郎氏に、ピアノを御邊典一氏に、ジャズピアノをリック・オヴァトン氏に師事。大学でクラシックから現代音楽までの作曲法を学び、卒業後は主にピアニストとしてクラシック、ポップス、ジャズ、合唱と幅広く活躍中。舞台においては、ミュージカル「スペリング・ビー」「モンスターズアンセム」、劇団イッツ・フォーリーズ「見上げてごらん夜の星を」にてキーボード演奏、音楽監督を担当し、その他多数のミュージカル俳優やミュージカル女優のライヴにて伴奏を行っている。ミュージカル座では、「野の花」「不思議なラヴ・ストーリー」「ママの恋人」「アイランド~かつてこの島で」「BEFORE AFTER」「スペリング・ビー」の音楽監督と演奏を担当。2015年6月、ハマナカトオルと組んだミュージカル「チェアーズ」で初めて作曲・編曲・音楽監督・演奏をつとめ、ミュージカル作曲家としてデビュー。以後「スター誕生」「ハートスートラ」「アワード」「スター誕生2」とハマナカとのコンビでオリジナル・ミュージカルを作曲。高い評価を受けている。
東京都出身。ミュージカル座所属。
幼少期よりダンスを学び、レコード大賞や紅白歌合戦などダンサーとして多くのイベントや TV 番組に出演。舞台芸術学院ミュージカル部別科卒業後、ミュージカル座創立と同時に入団。数多くの作品で演出助手や振付助手としてカンパニーを引っ張ってきた。「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」「舞台に立ちたい」「サイト」「アワード」「プロパガンダ・コクピット」「雲母紙鳶」などでは振付も担当。黒木瞳主演「ママ・ラヴズ・マンボ」3 作品では振付助手をつとめた。最近はハマナカトオル作品「ひめゆり」「何処へ行く」「ルルドの奇跡」の演出を担当。「ハートスートラ」は、今回が初演出となる。
ゆう
中村ひかりゆう
進士桃子舎利子
伊藤俊彦観自在菩薩 ほか
光枝明彦釈迦 ほか
高野絹也物理学者 ほか
奈良坂潤紀花の女性 ほか
浦壁多恵部長代理 ほか
高橋辰也玄奘三蔵 ほか
小宮山稜介ヤショーダラー ほか
藤澤知佳ヤショーダラー ほか
山岸麻美子2022年10月12日(水) ~ 10月15日(土)
☞ ※都営地下鉄大江戸線「光が丘」駅下車(A4出口) ※IMAホールへは、イマストリートを直進し右手エレベーターで4F。
☎ 03-3976-2000
ヒル | ヨル | |
10/12(水) | 18:30 | |
10/13(木) | 18:30 | |
10/14(金) | 13:00 | 18:30 |
10/15(土) | 11:30 | 16:00 |
【 組キャスト】
中村ひかり
伊藤俊彦
光枝明彦
高野絹也
奈良坂潤紀
高橋辰也
小宮山稜介
上吉川悠聖
髙橋昭広
浦壁多恵
藤澤知佳
川田真由美
落 理菜子
奥沢奈央
藤田沙知
優美
小島優花
野島優奈
星来
大西美緒
Amika
菖蒲菜月
石田優月
琴理
七海 悠
副島花香
土田ななみ
美波南海子
鈴木 恵
太田有美佳
佐藤由梨
【 組キャスト】
進士桃子
伊藤俊彦
光枝明彦
高野絹也
奈良坂潤紀
高橋辰也
小宮山稜介
上吉川悠聖
畑中義輝
浦壁多恵
山岸麻美子
川田真由美
勝部祐子
吉良茉由子
石井仁美
田辺椰紗
鶴田香耶
菅田紗子
饗庭小百合
平田里美
井上寧子
井野海咲
村上結香
渋谷彩来
七海 悠
松尾璃空
緑川絵理奈
美波南海子
海老澤美保子
太田有美佳
佐藤由梨
新体操(五蘊)
色:東川歩未(10/13・14・15)
色:NANA(10/12)
受:ゆず葉
想:矢作芽依
行:AIMI
識:宮城こころ
演奏
Keyboard:久田菜美
・ハナブサユウキ
Reed:山本茉莉奈
Guitar: 坂田善也
Bass:板本恵太
Drums:森 拓也
「 新型コロナウイルス感染拡大予防について 」をご一読ください。
※受付開始および開場は、開演の30分前です。
※本公演は組・組の一部シングルキャストで上演致します。
※出演者ならびに出演スケジュールに変更がありました場合は、何卒悪しからずご了承下さい。出演者変更の場合でも、払い戻しはいたしかねます。
※残席ある場合は、劇場受付にて当日券を開演30分前より販売いたします。ご観劇当日のご予約は承っておりません。当日券をご利用下さい。
※未就学児童のお子様のご入場はできません。
※車いすでご来場されるお客様は、お席の指定などがございますので、ミュージカル座までご連絡をお願い致します。
※新型コロナウイルス感染予防対策は、決定次第順次発表してまいります。
※新型コロナウイルス感染予防対策に関しましては、ご来場前に必ず再度ご確認のうえ遵守くださいますようお願い致します。また、新型コロナウイルスの影響により、政府からの通達および劇場ガイドラインに沿って、開演時間などが変更になる場合がございます。ご観劇当日に、公式HPの内容を今一度ご確認いただいてからのご来場をお願い致します。
※政府からの通達及び劇場ガイドラインに沿って、収容定員までの配席・販売とさせていただきます。
(全座席数の50%の販売・お隣の席を空けての販売ではございません。)予めご了承下さい。
※販売する座席の最前列はC列となります。舞台から客席最前列までは約3m以上の距離を設けてございますので、最前列(C列)のお客様でもフェイスシールド着用の指定はございません。
※今後、客席数の制限が出た際には、政府及び劇場ガイドラインに沿っての販売に変更させていただきます。また最前列に関しましては、発売日前の新型コロナウイルス感染拡大の状況により変更する場合もございます。予めご了承ください。
■マスクのご着用をお願い致します。
■出演者へのスタンド花・アレンジ花・鉢物などを含めました全てのお祝い花・差し入れ・プレゼント・お手紙などのお渡し、お預かりをご辞退させていただきます。
〠 330-0061
埼玉県さいたま市浦和区常盤9-8-15 松本ビル
【東京営業所】
〠170-0013
東京都豊島区東池袋1-34-5 いちご東池袋ビル6F
TEL:048-825-7460
FAX:048-825-7461
E-mail:m-za.info@musical-za.co.jp
ニューヨーク、ブロードウェイの街角にたたずみ、多くのミュージカルの看板を見上げながら考えることは、この街で日本人が創作した「アジアのミュージカル」が成功するとしたら、どんな作品だろう、ということです。約20年間、私の頭の中には、ひとつの題材があり、それを越える題材は浮かびませんでした。それが、日本で世界で最も愛されているお経「般若心経」でした。「えっ!? お経をミュージカルに!?」と、意外に思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、長年ミュージカルに携わっている私からしてみると、決して意外ではないのです。たとえば、ミュージカル「キャッツ」は、T・S・エリオットの詩が原作です。色々な猫の思想や哲学が散りばめられた詩の束が、ミュージカルになりました。「お経」も、色々な仏教の思想や哲学が散りばめられた、詩によく似たものだと、私には思えます。しかもお経は、リズムに合わせて声に出して読誦するものですから、歌とも、とても近いものと感じていました。でも、その内容に関しては、私たちアジア人でも、よく知らない人が多いと思います。お経なんて法事で聞くくらいですから、どうしてもお葬式のイメージと一緒になってしまいます。ミュージカル座の劇団員に「お経をミュージカルにしようと思うんだ」と話すと、「えっ!こわーい!」と言われたことがあります。でも、内容をよく知ると、お葬式とは関係ないもので、むしろ生きるために必要な、知っておいた方がいい智慧が書かれているのです。
「般若心経」が言っていることの中心は、なんと言っても「空」と「無」のオン・パレードでしょう。この世の中のすべて、そして自分さえも、空である、無であると繰り返し言っています。「自分という存在は、五蘊という五つの要素の集まりであって、自分という確固たる存在はない」と言うのは釈迦の教えですが、大乗仏教の経典である「般若心経」では、その五蘊さえも「空」であると説きます。この世の中にある決まり事や大前提を、すべて「ない」とリセットすること、今の言葉で言うと「初期化」することが、「般若心経」というお経の中心思想です。仏教発祥の地インドには、仏教が生まれる以前からカースト制度が存在していました。生まれたその瞬間から自分の階級が決められていて、どんなに努力しても、その身分から一生逃れることは出来ません。これは人間にとって苦しい大前提です。世の中の決まり事を、一度リセットしたい、という気持ちは当然だったでしょう。今の日本は、当時のインドよりはよほど自由ですが、それでも、学校や会社、家族、社会、国家、資本主義など、個人を取り巻く決まりにがんじがらめになって、窮屈な気持ちになっている人は多いでしょう。なかには、逃れられず、自殺する人さえいます。心が苦しくなった時、「般若心経」の教えは、心を楽にしてくれる効果があると思います。
西洋の宗教は、科学が発達するたびに衝突を起こして来ました。科学との相性がすこぶる悪いのです。そして、一部の原理主義者の主張を除き、宗教はいつでも「科学的には」間違っていました。ところが、「般若心経」をはじめとする大乗仏教の経典は、不思議なことに最新の科学とも相性がいいのです。「物質は空である」とか「自我などない」と言った、普通に考えればびっくりするような理論が、現代の最新の量子力学や宇宙論が描き出す世界観、あるいはユング心理学が提出する集合的無意識などの一元論的考えと折り合います。これは、遥かいにしえにこの教典を書いた人々(恐らく紀元1~2世紀頃と言われていて、釈迦ではありません)が宇宙の真理に近づいていたのか、あるいは、たまたまそうなっただけなのか、私には分かりませんが、少なくとも、量子力学など全く知らなかった親鸞や空海の時代の人よりも、最新の科学について知識のある現代人の方が、大乗仏教、そして「般若心経」を別角度からも照射して思索できる、面白い時代になったのではないかと思います。これも、私がこの題材を欧米で上演したいと望む理由です。つまり、仏教の方が「今に通じる」でしょうということです。
私はこれまでに、釈迦(ブッダ)を描いた映画や舞台をいくつか観て来ましたが、共通した感想は、仏教が人々に何を教えたのかが、見終わった後に頭に残らない、ということでした。なぜだろうと考え、その理由の一端は分かったのですが、私はこのミュージカルでは、仏教と「般若心経」の教えのうち、いくつか代表的なものが、観劇されたお客様の記憶に残るような作品にしたいと願い、創作しました。日本は「仏教国」と言われながら、自らの意思で仏教を学ぼうとする人は少なく、その教えを知っている人も少ないように思われます。しかし、釈迦の時代から2,500年も伝えられ、多くの人々によって受け継がれてきた「東洋の智慧」を、ひとつの言葉でいいから持ち帰っていただきたい。この作品は、そういうミュージカルであるだけでいいと思っていました。
「お経のミュージカル」なんて、ミュージカル座は、なんて変なミュージカルを創るんだと、ミュージカル・ファンや関係者の声が聞こえてきそうです。でも、私は、日本人、アジア人なら当然の発想だと思っているのです。むしろ、今まで誰もミュージカルにしたいと思わなかったので、こんな宝石のような素敵な題材が手をつけられず残っていたことを、神様、じゃなかった、仏様に感謝したいほどです。最後に、私が「般若心経」に惹かれた理由は、ひょっとすると「舞台をやっているから」かもしれません。舞台は、瞬間に輝き、毎日変化して、消えてなくなり、後に何も残さない芸術です。そして、宇宙の本質へと繋がっています。舞台人は、「空」を理解しやすい人々ではないかと思う今日この頃です。