ニューヨーカーズ

トルストイの世界的小説「戦争と平和」を、現代のニューヨークに移しかえ、9・11の同時多発テロからアフガン攻撃、イラク戦争にいたるニューヨークの人々のドラマとして描いたオリジナル・ミュージカル。開幕から約20分間は、9・11の同時多発テロを描いており、臨場感のあるドキュメント・ドラマの味わいだったと評価された。「戦争と平和」で富豪の私生児として生まれたピエールは、アメリカ軍需産業の息子ジェイソンに、偉大な父親の影響から逃れられない侯爵アンドレイは、上院議員の息子アンドリューに、二人と愛し合うヒロイン、ナターシャは、ジャーナリズムを学ぶ女子学生オリヴィアに役名を変えて登場し、「戦争と平和」で描かれるモスクワ市民をニューヨーク市民に、強敵ナポレオンをビンラディンとフセインに、アウステルリッツの会戦をアフガン攻撃に、ボロジノの激戦をイラク戦争に置き換え、ほぼ原作通りのストーリーが展開する。ミュージカルが持つ現代劇としての使命を実現させた意欲作。2003年10月〜11月、六行会ホールにて初演。主なキャストはジェイソン/高野絹也、オリヴィア/伊東恵里・鈴木智香子、アンドリュー/竹本敏彰・伊藤俊彦、チャールズ/萬谷法英、バーバラ/深沢美貴子・向井玲子、ジェーン/村上恵子・藤澤知佳ほか、本間識章、松岡美希、織田和馬らミュージカルの経験豊富な実力キャストの競演だった。平成15年度文化庁芸術祭参加作品。財団法人六行会主催「ネクストリーム21」参加公演。

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〔舞台写真〕