ルルドの奇跡 |
|
19世紀、フランスの田舎町ルルド。この町に住む貧しい粉引き職人の娘ベルナデットは、ある日マッサビエルの洞窟で聖母マリアの姿を目撃し、やがて町はその真贋をめぐって大騒ぎとなる。ベルナデットは本当に聖母マリアの姿を見たのか。それとも嘘をついているのか。だが、聖母の命ずるままにベルナデットが掘った穴から泉が湧き出て病人を治すという奇跡が起きて、全国各地から病人がルルドを目指して巡礼するようになり、教皇庁は査問委員会を開いてベルナデットの調査を開始。ベルナデットはシスターとなってヌベールの修道院へ赴くが、病気のために35歳の若さで息を引き取る。だが、死後30年を経過して再び掘り返された遺体が、埋葬の時の姿のまま腐っていないという奇跡が起きて、ベルナデットは聖女と認定される。ルルドとマッサビエルの洞窟は、年間数百万人が訪れるキリスト教最大の巡礼地となり、今もなお、世界中から訪れる人々を癒しつづけている。フランスで起こった実話をもとに、全編歌で綴るポップ・オペラ形式でつくり上げた作品で、「ひめゆり」より一段と複雑で繊細なドラマを歌で表現する試みに挑戦している。ベルナデットを演じるにあたって、フランス、ルルドとベルナデットの遺体が安置されているヌベールのサンジルダール修道院を訪れた伊東恵里は、渾身の演技でこの難役に挑み、自身のベストとも言える高い評価を獲得した。 2001年2月、東京芸術劇場ミュージカル月間参加作品として規模を拡大して再演。主人公ベルナデットを演じた伊東恵里が、東京芸術劇場ミュージカル月間優秀賞を受賞した。この時のキャスト版CDが販売されている。 |
|
〔作品紹介に戻る〕 |