ゴーストミュージカル

プールで溺れて突然死んでしまった少年のメルは、霊界の入り口で、死んだばかりの幽霊たちと出会う。おじいさん、おばあさん、主婦、紳士、タクシー運転手、美大生、不良娘、ハトおばさん、映画女優、野球選手、三人姉妹。彼らは天使に連れられて、天国への道を歩きだす。人生を回想する泉や、きれいなお花畑など、霊界を旅しながら人生を振り返るゴーストたちのエピソードが、さまざまなミュージカル・ナンバーによって描かれる。生と死の深いテーマを語ってはいるが、ユーモアを随所に散りばめた台詞とショーアップされた歌と踊りで明るく見せていく。天使と14人のゴーストたちを並列に描いていくレヴュー形式で書かれた作品で、ロックあり、ジャズあり、タンゴあり、カントリー&ウェスタン調ありと、バラエティ豊かな色彩の25曲のナンバーは楽しさいっぱい。死んでしまったゴーストたちを描くことで、ひるがえって今を生きる素晴らしさを歌い上げたミュージカルだ。97年4月初演、2000年4月再演。再演時のキャストは、メル/伊東恵里・村上由香、天使/鈴木智香子・木村美穂、タクシー運転手/竹本敏彰・中本吉成、美大生/狩俣咲子・深沢美貴子、不良娘/梅沢明恵・新藤幸子、老人/広田勇司ほか。この時のキャスト版の全18曲入りのCDが発売されている。初期のミュージカル座作品の中では、最もショー的要素の強い作品。

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〔舞台写真〕